なかなか日本に帰れない!?  旅の本屋さんが選ぶ「今すぐ冒険に出たくなる本 vol.12」『今夜世界が終わったとしても、ここにはお知らせが来そうにない。』  

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旅の本屋「のまど」の店長が、店頭に並ぶ本のなかから、外にでかけてみたくなるキャンプ・アウトドア好きのための本を選びます。今回は、移住先を求めて旅する夫婦のユニークな旅の記録をご紹介。車中泊テクニックが参考になるかも?

ユーモアたっぷりの著者に魅了される本

本書は、楽園(移住先)を探すため、軽自動車〈Chin号〉に乗って夫婦二人で稚内からフェリーでロシアに渡り、モンゴルから中央アジア、イラン、コーカサス地方、ヨーロッパ、アフリカを足かけ8年彷徨う著者のお話。コロナ禍や紛争に見舞われていまだ日本に帰れないまま放浪の旅を続け、走行距離20万キロ以上に渡る軽自動車の旅の道中で起きた様々なエピソードをユーモアな文体で綴った旅エッセイです。

本書は2023年1月に発売され、アマゾンのレビューでもかなり評判のいい旅本なのですが、実は本の元になった石澤さんのブログ「旅々、沈々。」の存在は数年前から知っていました。コロナ禍の2020年頃に、緊急事態宣言が出てお店を臨時休業していた際に、サハリンの旅の情報をネットで探していたら、石澤さんのブログをたまたま見つけ、読んでみたら非常に面白くてハマってしまい、気が付けばほぼすべての記事をむさぼるように目を通していました。

安住の地を求めてスクーターを買う!?

そんな石澤さんが、ブログの記事を元に単行本化した本書ですから、面白くないわけがないんですよね。何が面白いかというと、まず、旅のスタイルがユニークです。石澤さんは、2005年頃から仕事を辞めて、奥さんと二人で海外暮らしが出来そうな場所を探すためにスクーターを買います。

アラスカからアルゼンチンまで横断したり、ヨーロッパやオーストラリア、ニュージーランド、東南アジアなどを走ったのですが、結局見つからず、気が付けば2015年に。そこで、真剣に探すということで、なぜか軽自動車を購入して稚内から船でサハリンへ渡り、そこから南アフリカの喜望峰までドライブするという、とんでもないプランを考えて8年間も旅をしていて、しかも今もまだ日本に帰国出来ないでいるのです。

旅の本屋をやっているので、個人的にこれまでにも色んな旅人を見てきましたが、ここまで面白い旅のスタイルを実行し続けている人は見たことがない気がします。

そんな軽自動車での旅では宿泊はどうしているのか気になると思いますが、旅の道中は基本は旅費を節約するために車中泊をしているとのこと。「Chin号」と名付けた軽自動車の中には横幅120cm、長さ150cmの組み立て式のベットが積んであって、適当な場所を見つけてクルマを駐車して寝るときは、長さが短いのでカバンと段ボールで長さを調整したり、軽量化のために枕を持ってないので、脱いだ服やズボンを丸めて枕替わりに使うといった工夫をしたりといった記述があるので、クルマの長期旅行で車中泊を考えている方は非常に参考になるはずです。

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