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新緑まばゆい箱根峠越え! 石畳を敷かせた家康は偉大だった「旧東海道28km」を歩く

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時折、登山系SNSで見かける旧東海道箱根越えアタック。神奈川県・小田原〜静岡県・三島をつなぐ8里32kmをめぐるルートを歩き抜こう、というものです。難所の箱根関所越えは、石畳が連続する1000m超えの標高差が立ちはだかります。時空を超えた箱根越えは、足首までしっかりガードされたトレッキングシューズのおかげで無事完歩しましたが、古の方々は草履。たくましき足裏よ!

箱根湯本出発! 箱根旧道の名所「甘酒茶屋」まで登る、登る

スタートは小田原ではなく箱根湯本。箱根8里ではなく箱根7里約28kmの設定です。これは神奈川県のNPO法人主催のウオーキング大会のひとつ。例年150人からの参加者が列をなして箱根湯本から三嶋大社を目指す大会に個人参加です。

朝8時半過ぎに箱根湯本の河原を出発。早雲寺前を通り、須雲川沿いの旅館街を抜けていきます。日頃縁のない箱根湯本旧道側の旅館街の賑わいには驚きました。短パン半袖姿のインバウンド客とリュックを背負ったハイカーが、早朝の箱根で行き交います。

要所要所には法人協会スタッフが安全確保でガイドしてくれていますので、基本、ルートファインディングはなきに等しい道なりに進め、です。一般車が走る国道1号箱根新道と並行する旧東海道・県道732号から須雲川自然探勝歩道に踏み入り、いよいよ本格箱根トレイルとなります。

トレイルは時折車道の旧東海道とクロスしながら畑宿へ。箱根路は新緑も鮮やかなものになって心地よいウオーキングへの誘ってくれます。

畑宿一里塚の脇を抜け、ハイカーは第一関門の甘酒茶屋を目指します。同大会は東京マラソンと同じく、チェックポイントで時間制限が設定されています。設定された時間内に到着できなければ、その時点で終了となるルールです。もちろん、時間内に到着できても体調に異変が生じた場合は、そこで終了させるのも参加者の自由意志ということです。

最初の関門の七曲りを登り終えた先の甘酒茶屋では、ハイキング×甘酒の取り合わせの妙に感動を覚えます。発酵飲料の甘酒が、たっぷり汗をかいて登ってきた身体に優しいんですよ。古よりハイキングには甘酒。登山には甘味は定説だったのでしょうね。今後の登山の組み合わせメニューに加えたくなりました。

徳川幕府が整備した石畳の古道で芦ノ湖の絶景を楽しむ

甘酒茶屋から白水坂を抜けて、これまた石畳が続く登山道を伝います。途次には箱根八里の馬子唄が刻まれた石碑があり、その石碑裏からは箱根二子山を観望できます。歩いてみるもんですね。二子山眺望、初めてです。少し見えにくいですが。

箱根旧街道の箱根八里は徳川幕府が整備した東海道の箱根セクションのことで標高約10mの小田原宿から標高846mの箱根峠を登り、標高約25mの三島宿に至る約32kmを指します。その昔の旧街道は雨や雪になると脛まで浸かるぬかるみの山道で、かなり難儀したそうです。

その解決に当初は石ではなく竹が使われました。竹は箱根竹と呼ばれていたようです。その箱根竹を敷いて歩きやすくしたそうですが、竹が腐ったりすることから石敷きの道に変更となったようです。1680年のことです。物流・人流のための交通網整備は、かねてより重要な国家事業だったわけですね。

旧街道から一度、成川美術館裏の別荘街に踏み入ります。芦ノ湖ビューテラスの少し先に絶景ポイントがありました。芦ノ湖には遊覧船と箱根神社の鳥居、駒ヶ岳ロープウエイに富士山が一堂に揃います。なかなかにこのポイントは気づきません。地元の方以外には、ハイカーが観望できるザ・芦ノ湖です。

国道1号に降り立ち左折して名勝・杉並木を歩きます。400本に及ぶ杉はいずれも見事なまでの巨木。

箱根関所を通過して第2関門チェックの箱根駅伝栄光の碑の立つ広場着。ちょうどランチタイムです。