東京都青梅市にある塩船観音寺では4月中旬から5月上旬にかけてつつじまつりが行われました。20種類を超えると言われるつつじが約2万本! 永遠の命を持ったといわれる八百比丘尼開祖のお寺の春は、赤白と緑が織り成す東京の奥座敷です。
園中央広場をすり鉢状に囲う圧巻のつつじの園散歩
塩船観音寺を花の寺としてイメージを定着させたのが、つつじまつり。同境内裏山に古くから多数のヤマツツジが自生していたそうです。今でもその名残は裏山には残っていますが、昭和40年になってつつじ園構想が立てられ、約5000坪といわれるつつじ園に植栽が始まりました。2年後に第1回つつじまつりが開催されています。

そして平成22年にはつつじ園山頂部に塩船平和観音が落慶しています。高さ11mあるといわれる観音像は確かに圧倒される大きさ。つつじ園の広さといい、同寺の2大圧倒スケールです。

広大にして美しく華やかなすり鉢状のつつじ園では、早咲きのミツバツツジから遅咲きのリュウキュウミツバまで、開花時期をずらしながら順番に咲き誇り、春の喜びを永らえてくれます。取材に訪れたGWではミツバツツジ、オオヤマツツジ、ヤマツツジ、キリシマツツジなどの赤系つつじが終わり、濃紫リュウキュウツツジ、琉球紋リュウキュウツツジ、オオキリシマなどの紫系が元気よく華を競っていました。


真言密教の名刹は火渡り荒行も!
同観音寺の例大祭に紫灯大護摩共火生三昧修行と呼ばれる火渡りの荒行が行われます。GW中の5月3日だけは一般信徒の行への参加が認められています。つつじ園中央広場に設えられた紫灯護摩の道場でお不動様のご利益を祈ります。

火渡り荒行はもっとも厳しい荒行と言われる修行で、熱した炭を敷き詰めた道の上を素足で歩き抜けるものです。当日申し込みが可能ということもあり、多くの観光客が列をなし、靴を片手に火渡りの荒行を体験していました。薄紫色に染まるつつじ園に護摩の白煙が立ち上ります。
