ソトラバ

次々と現れる巨岩が圧巻! 古代の磐座信仰から始まり南北朝騒乱の舞台になった笠置山

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山上に点在する巨岩を巡り修行気分を満喫

巨岩フェチにはたまらない感じの山ですが、眺めるだけではありません。役行者が開いたという修行場で、ぐるりと巡ることで修業になるそうです。最初の関門は「胎内くぐり」。修験道では、修業を始める前に滝行で身を清めたりしますが、水がない山上ですので、岩の洞窟をくぐり抜けることによって生まれ変わり、清められるのだとか。

胎内くぐり

さらに巨岩ワールドを進んでいくと、景色のいい場所へ。はるか眼下に雄大な木津川の流れが見えます。

眺望スポット

三重県・奈良県・京都府の3県にひろがる広大な流域をもつ木津川上流域。ゆったりとした流れに大河の風格が漂っています。下流では、琵琶湖から流下する瀬田川(宇治川)、京都府の北山を源とする桂川・賀茂川などとあわさり、淀川となります。

ところでルート上にあるのは、見上げるような巨岩ばかりではありません。「ゆるぎ石」と呼ばれるこの石は、地面と点で接しているので、動かせると書いてあるのですが……。

ゆるぎ石

体重をかけて全力で押してみたのですが、ピクリとも動きませんでした。なんでも、笠置山の戦いのときに、上から投げ落とす武器としてここに置かれたということなのですが、こんなものを投げ落とせる力持ちが本当にいたんでしょうか。

30分ほどかけて修行のコースを巡っていくと、最後はいよいよ山頂へ。後醍醐天皇の行在所跡だそうです。

後醍醐天皇行在所

都を追われた後醍醐天皇が、三種の神器とともに行幸されたのがこの場所だと伝わっています。
「うかりける 身を秋風にさそわれて 思わぬ山のもみじを見る」という御製が刻まれた石が置かれていました。山頂部一帯は秋には紅葉の名所としてにぎわうようです。

下山して、木津川沿いの河川敷を少し探索。河原にも巨大な岩がごろごろしています。

笠置ボルダー

近年、ボルダーエリアとして人気が高まっていて、ボルダーマットを背負ったボルダラーの姿も。

ボルダラー

春には桜、秋には紅葉と、見どころの多い笠置山周辺。登山の対象というよりは、歴史探訪や自然を楽しむところだと思いますが、見どころも多くて楽しい山でした。季節を変えてまた来てみたいものです。