2025年5月23日から26日の4日間、神奈川県川崎市の丸子橋下の河川敷にて、「車中泊」や「バンライフ」をテーマにしたキャンプイベント「VANTOWN(バンタウン)」が開催されました。同イベントは2年前、東京都江戸川区にある「カヌー・スラロームセンター」敷地内で1日限定の開催でしたが、今回は4日間の開催に規模を拡大。なお、今回は川崎市が推進している「多摩川河川敷の利活用に向けた社会実験」の一環として、同敷地での開催が決定・実施されました。
「幻のビークル街」が神奈川・丸子橋の周辺に突じょ出現
普段はピクニックなどに利用されている広大な河川敷に、個性豊かにカスタムされたバンやSUVが突如として姿を現しました。彼らは「VANライフ」「VANキャンプ」を楽しむユーザーたち。参加者はマイカーをベースにショップやラウンジ、ミニキッチンを展開し、車と共に“街”をつくり上げていました。

コアタイムとなった24日(土)と25日(日)の2日間、キッチンカーやワークショップの出店も並び、観覧無料の一般来場者も多数訪れてにぎわいを見せました。会場内ではDJによる選曲が流れ、幻想的でピースフルな空間を演出。音楽と自然と自由が融合し、都市近郊とは思えない特別な空間に。

特にコロナ禍以降注目されている「車中泊」や「オートキャンプ」は、災害時にも役立つとされており注目を集めています。実際に参加したユーザーは、自らの車内に寝泊まりし、持参した食材をたき火などで調理するなど、「いざ」という時に役立つスタイルが多く見受けられました。
車中泊&キャンプに強いバンスタイルを提案
自動車パーツメーカーもその時流に賛同しています。新車・中古車のカスタムコンプリート販売・買い取りからキャンプギアの提案まで、楽しいカーライフを安心して送ってもらえるトータルサポートをする「フレックス・ドリーム」は、ポップアップ式の寝室を搭載したトヨタ・ハイエースを2台展示。

消防車だったハイエースの払い下げ車両を購入し、バンライフ仕様に仕立てたのは、キャンピングカー製作会社「Renovan Japan」の代表であり、同イベントの中心メンバーでもあるHAYATOさんです。

ウッドをふんだんに使った室内もおしゃれですが、本来消防車に搭載されていたストレッチャーの出し入れに使われていたレールを活用したドロワーキットを製作しました。現在、アウトドアユーザーはもちろん、仕事用の車としてバンを活用している人々にも「ドロワーシステム」が注目されており、多くの来場者の関心を集めていました。

その「ドロワーシステム」をスズキ・ジムニーとシエラに搭載したのが、横浜市港北区に店舗を構える「ストレイキャッツ」です。複数メーカーのルーフテントやサイドオーニングを扱うセレクトショップで、販売・取り付け・買い取りを自社工場で行っています。同社が扱うルーフトップテントやサイドオーニングを活用することで、車内を道具入れとして活用するスタイルを提案していました。

クルマ以外の楽しめるコンテンツも満載
D.I.Yで仕立てた日産・キャラバンの展示や、タイルを貼ってオリジナル雑貨を作るワークショップの開催、おしゃれなトレーラーハウスタイプの移動式キッチンカーの登場など、いわゆる自動車のオフ会とは一味も二味も異なる多彩なコンテンツを展開。

「なんとか雨に降られなかった土曜日は盛況でしたが、その夜から未明にかけての大雨の影響で、日曜日のプログラムは多くキャンセルに。天候なので仕方ありませんが、やはり心残りです」と、同イベントの中心メンバーであるVANCAMP JAPANの小濱さん。

開催から4日後の26日(月)、VANTOWNは跡形もなく姿を消し、その“幻(まぼろし)”という名にふさわしい余韻を残しました。