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湘南の妙義山はサクッと行けてサクッと登れる! 磨崖仏を巡るハイクはまるで「インディジョーンズ魔宮の伝説」だった

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別名・湘南の妙義山は鷹取山と言います。神奈川県内でもタカトリ山はいくつかあって、ここは神奈川県横須賀市と逗子市の市境にある標高139mの鷹取山です。巨大な磨崖仏で有名な低山は、週末散策でハイカーに人気なだけでなく、クライマーの聖地でもあります。

東逗子駅から古刹境内を抜けて取り付きの登山道は急登

横須賀市と逗子市の境にある鷹取山に足を向けてみました。鷹取山へはJR横須賀線の東逗子駅をはじめ、京急線の神武寺駅、追浜駅、京急田浦駅が最寄り駅となり、駅チカ登山の魅力を伝える首都圏の代表的な山です。今回は東逗子駅から神武寺を経由するもっともポピュラーなルートの選択です。

駅を出てすぐ右手の踏切を渡り、ほどなくして神武寺への表参道が口を開けています。鷹取山登山口と併記されています。

神武寺鷹取山ハイキングコースはスタートから静かな、でも登り甲斐を予感させる登山道の趣を伝えます。

そして惣門をくぐり、先の階段を上がり鐘楼堂へ。この鐘楼堂は神武寺の晩鐘として逗子八景の一つに数えられています。説明板によると、この鐘楼堂で標高83mだそうです。

そして楼門と薬師堂と続きます。薬師堂は県重要文化財で当寺の本堂とのことです。神武寺は奈良時代は聖武天皇の時代に開山という名刹です。

薬師堂からハイキングコースをつたって本格的に登山道に踏み入ります。いきなりの岩場の急登が待ち構えています。登山道上には巨大な石も置かれています。

三浦アルプスを眺望できる岩場の絶景

踏み跡が残る脇道に進むと三等三角点の場所が。神武寺山です。山頂標識も何もないピークは、標高134mです。神武寺山からの景観は意外に侮れないものがあります。逗子の海から続くように阿部倉山・二子山と並ぶ三浦アルプスの山並みを見ることができます。

登山道上に数カ所のパワースポットが並ぶ、ありがたいルートは意外にアップダウンも多いのが特徴です。途次に数カ所の眺望ポイントが現れますが、いずれも三浦アルプス群を正面に捉えることができます。ただ、足もとに不安を感じる岩場でもありますので、注意だけは怠らないように。

長い鎖場ポイントを経て山頂へ。左手頭上から声が聞こえればクライマーの方達です。鷹取山は明治から昭和初期まで石切が行われていたそうで、垂直に切り立った岩山が特徴で、その姿を群馬県の妙義山に例え、湘南妙義の別名を持っています。登攀するクライマーに人気の山でもあります。

ロッククライマーが挑む岩山の頂に展望台が置かれています。展望台麓の平地で標高約100m。展望台に山頂標板がありました。

約40m登った展望台からは西に富士山と丹沢。南に大楠山と武山の三浦アルプスと横須賀アルプスの盟主を望むことができます。東には観音崎と三笠公園の横須賀の名所。北は東京方面です。最近報道で話題の追浜は北東方面になります。

妙義山さながらの切り立った岩山に潜む巨大な磨崖仏

湘南妙義にふさわしく、切り立ったような垂直に岩山がいくつか並んだ先に、鷹取山といえばの磨崖仏が現れます。巨大な磨崖仏は弥勒菩薩尊像で像高約8m、象幅約4.5mで、横須賀市在住の彫刻家の方が1年かけて掘ったそうです。かつては近くに釈迦如来像の磨崖仏もあったそうですが、地元の小学校建設のため昭和40年に取り壊しとなったそうです。なんか残念ですね。

いくつかある岩肌には無数のハーケンを打ち込んだ跡を見ることができますが、鷹取山では基本的にはロッククライミングは禁止となっています。ただ、当山の安全登山協議会への届け出をするという条件で許可されているそうです。休日には複数の団体が順番待ちをしています。なかなか見る機会のないロッククライミングの現場だけに、しばし見とれてしまうハイカーも多いです。

磨崖仏から鷹取山公園に戻り、追浜駅へ向かう途次に磨崖仏壁画群が隠れるように並んでいます。石の切り出し跡のような洞窟とその周りに壁画があります。洞窟内は整然と並ぶように掘り描かれています。作品群の前には立ち入りを禁止するかのように石が積まれてもいます。一説によると横須賀市在住の方が許可を得て制作したものだとか。1972年頃の作品と耳にしました。

洞窟内側と外側の数点では作風が違うようなので、無許可で掘り描いた作品かと思いますが、草が生い茂り作品を隠しているかのようです。まるでインディジョーンズ魔宮の伝説です。

鷹取山は標高139mの低山ですが、小さなアップダウンや岩場、鎖場もあります。クライマーの聖地の先には磨崖仏と壁画群が隠れてもいます。東逗子から追浜駅までで約5kmのショートコースですが、なかなかにアドベンチャー感覚に溢れた楽しみがいのある濃いルートだと思います。

駅チカ低山として人気の神奈川県逗子市と横須賀市の市境にある鷹取山登山レポート。公共交通機関が利用できる利便性の高さもあり、標高は139mのショートレンジなハイキングコース。山頂からの眺望は逗子と横須賀の海。そして三浦アルプスの山並みが眺望できる。また岩山に掘られた高さ8mの磨崖仏は迫力満点。近くには磨崖仏壁画群もある。