世界征服を企てる悪の秘密結社・ショッカーによってバッタの能力を持つ改造人間にされた「仮面ライダー」。画期的なSFアクションドラマは、1971年の初代から平成、令和と時代を経て今なお引き継がれている不滅の人気シリーズです。
関西ロケ第一弾は神戸六甲山が舞台に!
1972年8月に放映された第71話『怪人アブゴメス 六甲山大ついせき!』は、関西ロケの第一弾で、神戸と六甲山が舞台となっています。メキシコから来た怪人アブゴメスとの死闘の舞台となったのが、六甲山北斜面にある蓬莱峡・白水峡エリア。その怪異な風景をたっぷりと眺められる尾根を歩いてきました。「白水峡墓苑前」というバス停を起点に歩き始めると、ほんのひと登りで白水峡を見下ろせるポイントに。

今から約100万年前に始まった「六甲変動」と呼ばれる大規模な地殻変動によって隆起した六甲山。低い丘陵地が900m超えまで隆起し、東側は沈降して大阪湾ができました。それらの地殻変動にともなって、多くの断層が生まれたのですが、もっとも顕著なもののひとつが「有馬高槻構造線」です。
この断層の活動により、六甲山地で最大の規模をもつ断層破砕帯が形成されました。それがこの白水峡です。隣の蓬莱峡もそうですが、このような地質を「バッドランド」と呼びます。バッドランド=悪地=荒地・裸地を指しますが、ここ白水峡は、中生代後期白亜紀に形成された花崗岩が極端に風化してできたものだそうです。

ここでロケが行われた回のオンエアは見てないのですが、岩陰からショッカーみたいな悪者的なナニカが覗いているんじゃないかという感じがしてしかたがありません。

道は、ガケのきわを通っているところもあって、うっかり足を踏み外したら大変なことに。転げ落ちないように注意しながら進んでいきます。しばらく登ると、北側の眺望が開けてきました。「有馬高槻構造線」北側の山と、さらにその奥には神戸市北区、西宮山口町から三田市あたりが見えています。

最初の小ピークを越えるとさらに眺望が広がります。六甲山地は、南斜面は海を見下ろす景色が特徴ですが、北斜面側は北摂から丹波地方にかけての雄大な眺望が楽しめます。
