急激な天候の変化がおこりやすいのが登山です。そのため、レインウェアは登山における必須の持ち物ですが、普段の手入れを怠ってしまうと、いざ着用したときに水が浸入してきたなど、トラブルに見舞われる心配もあります。買ったばかりのレインウェアを長く大切に使うためにも、お手入れの方法も覚えておきたいですね。そこで、登山歴の長いアルペントーキョーの鈴木正志さんに、そのコツを聞いてみました。
汗や油脂分も多いのでしっかり洗うのが大事
基本的に、「レインウェアも普通の衣類と同じで、洗濯表示に基づいて洗えば問題ありません」(鈴木さん)ということです。ただし、街中で着る衣類と違って、登山ではいろいろな汚れが付着しますから、それを意識したメンテナンスが重要になります。

鈴木さんは、「登山では汗をたくさんかきますから、汗や油脂分がレインウェアに付いて、防水被膜が目詰まりを起こす心配があるんです」と言います。さらに、湿気により生地に悪影響を及ぼす可能性もありますので、洗濯はとても重要なのです。
レインウェアの撥水効果を長持ちさせよう
レインウェアが備えた撥水効果を、できるだけ維持できるように手当をする必要もあります。最も手っ取り早いのは、撥水剤をかけるという方法です。あらかじめ撥水スプレーでコーティングしておくことで、より効果を高められます。なお、撥水スプレーを使うときは、必ず屋外の風通しのいい場所で行うようにしましょう。

また、「素材に熱を加えることによって、撥水効果がよみがえる場合もあります」(鈴木さん)。実は、洗濯をした際に乾燥機にかけたり、コインランドリーを使ったりして温めることで撥水効果が復活するんです。これは、撥水性を含んだ素材の分子が、熱を加えることで再び整列するからだといわれています。ただし、高温での乾燥は生地を傷めることになるので、60℃以下を目安にしてください。
