東京都奥多摩山域の山はJR中央線と接続するJR青梅線、JR五日市線とバスを利用でき日帰り登山が可能なので、都心に住むハイカーや首都圏在住の登山ファンに人気です。ただ、これからの夏のシーズンの低山登山は、登山道との闘いに加えて滝汗との取り組みも必要になります。そこで涼感を感じられる滝のある奥多摩の登山ルートを一考に加えてはいかがでしょう。
登山ルートが豊富な三頭山には落差35mの大滝がある
奥多摩には地域を代表する奥多摩三山と呼ばれる山々があります。大岳山、御前山、そして三頭山の3山です。それぞれ標高は1267m、1405m、1531mで、いずれも花の百名山に名を連ね、大岳山に至っては日本二百名山のタイトルも所持しています。

奥多摩三山でもっとも西に位置するのが三頭山です。三頭山の登山ルートは北側の奥多摩湖畔からと、南側になる都民の森からのルート、および奥多摩主脈が東側に延び、西からは小菅村に通じる大菩薩嶺からのルートなど、四方から多くの登山道が接続しているので、登下山のバリエーションも楽しめます。

しかし、いずれもひとクセのあるルートですが、もっともポピュラーでキャリアの浅いビギナーにもオススメなルートが都民の森からの入山ではないでしょうか。そのうちの三頭大滝コースが夏でも涼やかに山頂を目指すことができるうってつけのルートかと思います。三頭大滝は落差35mを誇るそうです。

三頭大滝を軸に周回ルートで一気に3つのピークを踏む
都民の森へはJR五日市線の終点武蔵五日市駅から、バスで都民の森行き終点バス停まで1本です。バス停終点は広大な有料駐車場もあるので、マイカー派にもオススメですね。都民の森の大きな看板の脇から踏み入ります。

三頭山は東峰、中央峰、西峰の三峰で構成され、山名の由来ともなっています。もっとも標高が高いのが中央峰です。都民の森園内にはハイキングコースが巡らされているので、地図を片手に自由に組み合わせてもいいと思いますが、ここでは一つの目安としてウッドチップが敷かれた大滝の路に進み、ムシカリ峠を登り西峰、中央峰、東峰をたどります。下山は鞘口峠に周り森林館を抜けて駐車場に戻る周回コースとしておきます。

逆ルートで下山の仕上げに大滝の眺望で涼むのも一興ですね。いずれにせよ山頂へはブナの森が厳しい夏の日差しを遮ってもくれます。適度な森林浴と滝のマイナスイオンで、ヒートアイランドの日本の夏の1日を涼やかな気分にしてくれるのではないでしょうか。
