ソトラバ

地域限定の貴種に逢いに行く! 枝先に一輪のエレガントな初夏の花「サンショウバラ」の咲く不老山ハイクを堪能

楽しい外遊びはソトラバで。アウトドアWEBメディア Soto Lover


その花は日本固有種で分布域は非常に狭く、本州は神奈川県、山梨県そして静岡県にまたがる富士・箱根地区にのみ、それも山地に自生する特異な花でサンショウバラと言います。名前が示すとおり、山椒に似た葉の枝先に一輪のエレガントな初夏に咲く花は、神奈川県足柄上郡山北町と静岡県駿東郡小山町の境に位置する不老山で、その姿を見ることができます。

山椒の葉にウリ二つのバラの原種はレッドリスト入り

サンショウバラは別名ハコネバラとも呼ばれ、文字どおり神奈川県の人気観光地の箱根の町花に制定されています。また、山梨県都留郡山中湖村の村の花にも選ばれています。

バラ科バラ属の落葉期のサンショウバラは、円錐状の落葉小高木になるバラで、開花まで数年を要するそうですが、山椒の葉に似た特徴的な葉と上品な花色を披露することで、登山愛好者やハイカーに人気の花です。山椒の葉にそっくりなので、ついつい葉に触れて匂いを伺ってしまいますが、もちろんバラです。山椒の香りはしません。

例年5月末〜6月上旬の開花で、枝先に一輪ずつ高貴さを漂わせる薄いピンク色の花を咲かせます。直径にして4〜5cmほどでしょうか。一日花ということで咲いた当日から翌日には散ってしまうそうですが、その儚さもこの花の魅力のひとつなのかもしれませんね。

環境省のレッドリスト入りしているバラの原種の一つであるサンショウバラを見ようと、開花時期には自生地を訪れに多くの登山愛好者が、西丹沢に踏み入ります。登山は難しいけど見てみたいという方には、群馬県渋川市の赤城自然園で可憐な姿を見ることができるようです。