低山なれど侮れないクセのある不老山
5月中旬から6月初旬に、にわかに人気となるのがサンショウバラが多く自生することで知られる不老山です。不老山は双耳峰で北峰が標高928m、南峰が926mとなっています。いずれのピークもサンショウバラの木はわずかばかりの株数で愛でることができます。決して広いとは言えないまでもベンチが置かれているなど、訪れた登山者には憩いの時間を提供してくれます。

不老山のサンショウバラのメインステージはいずれのピークでもなく、山頂から西側に進んだ先に広がる丘・別名サンショウバラの丘にあります。登山道が走る陽当たりにも優れた里山の風情を残す丘は、取材時は残念ながら開花ピークは過ぎ、可憐な花を落としていましたが、幸いにも北峰の株がシーズンの千秋楽として出迎えてくれました。

不老山へは多くのハイカーはJR御殿場線・駿河小山駅〜富士急モビリティバス明神峠バス停を利用しています。意外にアップダウンも多いルートですが、この時期に限らず秋までの期間はヤマビルとの遭遇回数も多く報告される地域でもあります。

絶滅危惧Ⅱ類のサンショウバラに逢うのもなかなかに敷居の高さがありますが、逢えた喜びはひとしおでもあります。貴重な山花です。翌年の出逢いを楽しみに、大切に見守りたいですね。
