熱中症予防に役立つ水分補給の秘訣
熱中症の大きな原因のひとつが脱水症です。発汗などによって身体の水分が失われると、体温調整機能がうまく働かなくなって熱中症になりやすくなるのです。ですから、一にも二にも、適切な水分補給を!
●歩きはじめる前に、まず水分補給
朝起きたらまずコップ一杯の水を。朝食には、味噌汁やスープなどなど塩分を含んだ汁物を摂るのがおすすめです。

そして、出発前にもコップ一杯程度の水分を。トータルで500ccほどを目安に摂取しておきましょう。
●歩きはじめたら、なるべくこまめに水分補給
一時間あたり、体重×5cc程度を目安に、一度にたくさん飲むよりは、何度かにわけて飲む方がよいです。たとえば、体重50㎏の人なら2時間でペットボトルを空にするくらいのペースと覚えておきましょう。
●暑い季節は冷たいドリンクを
適切な水分補給は、脱水症を予防し、同時に熱中症の予防にも役立ちますが、暑いときには、冷たい飲み物を摂ることで、すばやく体温を下げることができます。保温ボトルに冷たいドリンクや氷を入れていくといいでしょう。
凍らせたペットボトル飲料も売られていますが、溶けるときに結露でまわりが濡れてしまうので、タオルにくるんだり、保温ケースに入れて携行しましょう。
●行動食にも冷たいものを
暑いと食欲が低下しがちですが、凍らせたフルーツやゼリーなどを持って行くと、バテ気味のときでも食べやすく、体温を下げる効果もあります。保冷バッグや保温ボトルなどを活用して、凍った状態で携行するとよいでしょう。

筆者は、凍らせたゼリーやシャーベットを、大き目のグラウラーボトルに入れて持って行っています。
●塩分補給も忘れずに
発汗が多いときは、水分だけでなく電解質(イオン)も失われます。水だけを飲んでいると、体液中の水分とイオンのバランスがくずれて、のどの渇きを感じにくくなったり、脱水しているのに利尿が起きたりします。
効率よく両方を補給できるのがスポーツドリンクですが、味が好きじゃないという方もおられると思います。その場合は、塩分を含んだ行動食(塩むすびや梅干しなど)を摂ればOK!
筆者は、水用のボトルのひとつに、いつも梅干しを入れています。クエン酸効果で疲労軽減にもなるので、おすすめです。しっかりと水分補給をしながら、安全に夏山を楽しみましょう。

【参考】
厚生労働省「職場における熱中症対策の強化について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001476824.pdf