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遭難してるのかと思った!? コレをやったら超ヒンシュクの「山小屋NGあるある」エピソード

楽しい外遊びはソトラバで。アウトドアWEBメディア Soto Lover

  • 厳しい登山道
  • 鎖場
  • 暴風雨の御嶽
  • 夜の小屋
  • カップヌードル(AC)

昔々の大昔、とは言え平安時代とか江戸時代とかの話ではないのですが……。とある山域の、とある山小屋は、小屋番がなかなかのコワモテで、〝なってない〟登山者への対応が非常に厳しいことで知られていました。当時、筆者はテント泊山行がメインで、小屋泊はしたことがなかったのですが、ふとしたはずみで目撃してしまったのです、その厳しい塩対応を……。

はっきりした時刻は覚えていないのですが、まぁまぁ遅い時間に小屋に到着した登山者がいました。その方が、宿泊の手続きをしているのをたまたま近くにいて見ていたのですが、「1泊2食でお願いします」と言ったその人に、小屋番が一言。「こんな時間から夕飯の準備はできない。お前のメシはこれだ!」と、カップ麺をひとつ差し出しました。

カップヌードル(AC)

オソロシヤ……と、震えあがったのですが、まぁ泊めてもらえただけでもありがたいのかもしれません。

今の山小屋は基本的に予約が必須

当時は、山小屋の宿泊に予約は不要とされていました。もちろん小屋としては、予約をしてくれる方がありがたいのですが、計画通り行けなくて、手前の小屋までしかたどり着けないような場合に、宿泊を断られると遭難につながることがあるため、基本的には予約なしで受け入れてもらえていたのです。
ただし、到着が遅いと、もう部屋の空きがなくて、食堂の床とか、廊下に寝かされることも珍しくなかったようです。全員の食事が終わるまで横になることもできません……。

夜の小屋

無連絡キャンセルがご法度な理由

コロナ以降は、予約が必須という小屋がほとんどになりました。急に行っても対応してもらえない可能性があります。今はネット予約ができる小屋も多く、電話受付だけのところと比べると利用する側も楽です。予約時にどこを経由して何時ごろ到着する予定なのか、翌日はどこを経由してどこへ行く予定なのか、ということを登録するシステムになっているところもあります。

予定を確認するのは、途中で〝何かあった〟ときのためです。15時到着予定のお客さんが、無連絡で17時になっても到着しなければ、「もしかして何かトラブルが起きたのか? まさか遭難しているのでは?」と心配させてしまうことになります。

もちろん、到着が遅れたからと言って、すぐに捜索を開始するとか、救助隊が動くということはありませんが、無連絡で大幅に遅れることは、いろいろな方面に迷惑をかけることになるので注意が必要です。

どうしてもたどりつけないときは……?

とは言え、不可抗力な事態が起きることがあるのが山。筆者は、昨年夏に木曽御嶽山で悪天敗退、半年以上前から予約していた小屋にドタキャン連絡をした経験があります。

『本当にあった』に学ぶ、トレッキングの撤退ラインとは?『強風時の御嶽山登山』」でも紹介したのですが、入山後に想定外の荒天となって、とても楽しみにしていた憧れの小屋にたどりつけなかったのです。このときは、撤退を決めてすぐ、とりあえず暴風が避けられるところまで移動して、山小屋に電話をかけて、行けないことを伝えました。

暴風雨の御嶽

電話を受けた小屋の方は、(たぶんほかにもそういう予約者が何人もいたと思うのですが)、「どうぞお気をつけて」と気遣ってくださいました。

キャンセルをしなければならないケースはいろいろあると思いますが、ダメになったらなるべく早く連絡をするようにしましょう。二日前までならwebでキャンセル手続きができるところもあります。
無連絡の当日キャンセルは、100%のキャンセル料を覚悟してください。食事の準備をして到着を待っている小屋の人からすれば、いつまでも現れない予約者は「遭難してるのかと思った!」という事態ですから。