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毒を取り込み生き残りにかける! 旅する蝶アサギマダラの驚きの生態とは

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驚きの生態その3【「渡り」という壮大な旅】

アサギマダラは、季節に合わせて「渡り」と呼ばれる壮大な旅をします。春には暑さを避けて北上し、そこで卵を産みます。そこで生まれた成虫は、秋になると南下して越冬地へ向かいます。時には海を渡り、台湾などへ行く個体も確認されています。

この渡りの全貌を解明するため、1980年代から研究が始まりました。アサギマダラを捕獲して翅に日時や場所などの情報を記入して放し、別の場所で再捕獲した際に情報を共有するというマーキング調査が行われています。

この調査により、和歌山県で捕獲された個体が、約2,500km離れた香港で再捕獲されたという驚くべき事例が判明しました。また、1日に200kmも飛行した個体もいたことがわかっています。

この渡りの途中で立ち寄る場所として有名なのは、赤城自然園や群馬県丸沼高原、大分県姫島などです。その他にも、各地の山間部や公園などでその可憐な姿を見ることができます。

写真で見るのも良いですが、実物を見た時にはなんとも言えないその美しさに魅了されます。ぜひご自身の目で本物を観察してみてください。また、たまに旅をせずにそのまま越冬する個体もいるらしいので、そのような個体を探してみるのも楽しそうです。今年の秋は、アサギマダラに会いに旅に出かけてみるのはいかがでしょうか。