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「世界三大潮流」の海峡もある!  一度は見てみたい「日本三大急潮」とは 

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「海峡」と聞けば、具体的な場所を思い浮かべる人は多いでしょう。しかし「海峡とは何か」と問われると、意外に説明は難しいもの。海峡とは、陸地と陸地に挟まれた海の通り道を指します。その中でも潮の流れがとくに速い三つを「日本三大急潮(潮流)」と呼びます。今回は、その三海峡を紹介します。

海峡とは? 日本三大急潮の定義

日本は北海道・本州・四国・九州の4つの大きな島と数多くの小さな島々から成り立っています。島々のあいだにできる、陸地で挟まれた海域が「海峡」。海峡は海底の地形が深く削られたように複雑で、潮の流れが速いのが特徴です。その中でもとりわけ潮の速い三つを「日本三大急潮」と呼びます。

鳴門海峡の渦潮観光

日本三大急潮の代表、鳴門海峡と関門海峡

日本三大急潮のひとつが、瀬戸内海の播磨灘と太平洋の紀伊水道を結ぶ鳴門海峡。イタリアのメッシーナ海峡、カナダのセイモア海峡と並び「世界三大潮流」にも数えられます。潮流の速さは大潮の満潮時に時速20km以上に達し、日本一とも言われます。

鳴門海峡の渦潮

名物といえば「鳴門の渦潮」。瀬戸内海と紀伊水道の干満差による激しい潮流で生まれる自然現象で、世界でも有数の規模を誇ります。春と秋の大潮時には最大直径20~30mに達することもあり、遊覧船や展望台から間近に観察できる人気観光スポット。ただし潮の流れない時間帯には見られないため、見学には潮の時間を調べておく必要があります。

もうひとつの日本三大急潮が、下関と福岡を隔てる関門海峡。約6000年前に本州と九州が分断された際に形成されたとされます。

関門海峡

関門橋は自動車専用道路ですが、海底を通る関門トンネルなら徒歩での通行も可能。トンネル中間には県境を示す表示があり、歩いて海峡を渡るという特別な体験ができます。歴史と日常生活が交差する場所として、多くの観光客に親しまれる存在です。

サイクリングと潮流体験が魅力の来島海峡

最後のひとつが、愛媛県今治市と大島のあいだにある来島(くるしま)海峡。ここには世界初の3連つり橋である来島海峡大橋が架けられ、両端には小型バイク道や自転車・歩行者道も整備されています。瀬戸内海の美しい多島海を眺めながらサイクリングできる絶景スポットとして人気を集める場所です。

来島海峡の夕景

周辺には戦国時代に村上海賊が拠点とした来島城跡や、明治時代に築かれた芸予要塞の砲台跡など歴史スポットも点在。遊覧船に乗れば、迫力ある潮流と雄大な橋を間近で楽しめます。

渦潮などの自然現象に加え、トンネルやつり橋といった建造物、村上海賊や要塞跡に代表される歴史的スポットまで、多彩な魅力を備えるのが日本三大急潮。自然と人の営みが交差する海峡を、ぜひ一度訪れて体感してみてください。

【詳しくはこちら】
◆大鳴門橋遊歩道「渦の道」
https://www.uzunomichi.jp/usage-guide-uzu-no-michi/
◆関門海峡Navi
https://kanmon.gr.jp
◆来島海峡(今治市)
https://www.city.imabari.ehime.jp/kanko/spot/?a=181