お洒落な港町・神戸の街の背後に位置する六甲山。街からすぐ近く、ケーブルやバスで手軽に行けるうえ、山上部には展望台やカフェ、ショップ、アスレチック施設などいろいろなスポットがあって、山というより、観光地と認識している人の方が多いかもしれない山です。しかし、それらの施設から一歩入ると、じつはとても神秘的な〝パワースポット〟があるんです。
アクセス困難でなかなか行きつけない場所
筆者は、六甲山上にある兵庫県立ビジターセンターに併設されている「六甲山ガイドハウス」でボランティアガイド〝山の案内人〟をしています。

記念碑台という、山上のかなめとも言える場所にあるので、道を聞かれることもしばしば。
「行き方がわからないんです」と、いろんなスポットのことを尋ねてくる人がいるのですが、口頭で説明するのがなかなか難しいのが、「雲ヶ岩」「心経岩」などがあるエリア。都市の延長のような六甲山上では、ちょっと独特のスポットです。
記念碑台からは、深い森の中にある別荘街を通り抜けていきます。緑陰が心地よく、静かな散策路です。今の季節は、「六甲ミーツ・アート芸術散歩」という秋の恒例アートイベントが行われていて、道沿いでも作品を見ることができます。

ブナの径から六甲森の音ミュージアムの横へ出て、そこから今度は主稜線の北側にある別荘街を通り抜け、一番奥から山道へ。わりとマイナーな道で、草が茂っていたり、荒れていることもしばしば。このときは、一部崩れかけの箇所がありました。

木々のすき間から、六甲山地の北西側の景色が見えました。

海が一望できる南斜面と異なり、北側はずっと遠くまで山並みが広がっています。
神秘的な岩が点在するパワスポエリアへ突入
うっとうしいくらいに茂った藪をかき分けながら進んでいくと、少し開けた場所に出ます。反対側からは狭い未舗装の林道がつながっています。数台駐車できそうなスペースから、山道を登っていきます。この上に「雲ヶ岩」や「心経岩」があるのです。

木の階段がつけられた小道を登っていくと、少し先で道が二手に分かれて、右へ進むと巨大な岩の前に出ます。

かなり大きな岩がすっぱりと半分に割れた感じの形状をしており、なめらかな表面には細かい文字がたくさん刻まれています。
奈良朝時代、天竺の国(現在のインド)からはるばる、仏法を広めるために来日した高僧・法道仙人が般若心経を刻んだのが初めで、現在あるものは大正時代に再建されたもの、という説明が書かれています。
これを見ると、いつも「割れたあとの半分はどうなったんだろう」という疑問がわくのですが、そのへんに転がってないかキョロキョロしてみても、それらしい岩は見つかりません。心経岩から、さらに上の方へ続く道を辿っていきます。

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