「鬼ヶ島」「小天狗山」「ごろごろ岳」「ガベノ城」……六甲山に多く点在する謎地名の中でも、気になるもののひとつが「仙人窟」。仙人ってダレ? 窟があるの? ずーっと昔から気になっていたのですが、いくら調べても何もわからないのです。地元の歴史家の本にも載っていません。先日ふと思いついて、20年ぶりくらいに訪ねてみることにしました。
アートイベントで賑わう山上からスタート
六甲山では毎年秋に「神戸六甲ミーツ・アート芸術散歩」という野外アートの一大イベントがあります。山上のあちこちに彫刻など、いろんな作品が展示されて、ふだんとはまったく違う表情になります。この時期だけ、おしゃれなワカモノの姿が多くみられます。そんなアート展の会場のひとつ、六甲ガーデンテラスから歩き始めることに。

六甲ガーデンテラスは、標高約880mの山上にあり、展望台やカフェ、ダイニング、雑貨店や土産物店などが集まるお洒落スポット。夜は夜景の名所としても知られ、雄大な景色が楽しめます。まずは景色を眺めようと展望台に向かうと、さっそく作品がお出迎え。なんだかかわいらしい動物がいます。

彫刻家の白水ロコさんの作品。ロコさんは動物や植物など、自然のモチーフが大好きみたい。どれもとても愛らしい表情の作品です。メインはペガサス。

青い空と広い海を見下ろす雄大な景色の中に溶け込んで、独特の存在感を放っています。アートファンに観光客、近頃はインバウンド客もたくさん。なかなかの賑わいを見せるガーデンテラスをあとに、いよいよ仙人窟探索に出発します。

南側のメジャーエリアから北側のマイナーエリアへ
ガーデンテラスから、近年人気のアスレチック「グリーニア」の脇を通って、北側斜面へと進みます。山上施設や別荘などの建物があるエリアをすぎると、急にうらさびしい雰囲気に。

このあたりから、車道をはずれて山道に入るはず。草がぼうぼうに生えてて、どこが道やらさっぱりわかりません。いや、草、茂りすぎやろ! つか、誰も草刈りというか、道の整備をしていないのか?

……って言うか、これ、もはや道じゃない。踏み跡っぽいところがまったく発見できません。
「このへんかな?」というところを、ササヤブをかきわけながら、無理やり進むのですが、足元がヤブに覆われて見えにくいので、ぜんぜん進まない。
よく見て足を置かないと、地面に亀裂が入っているところとかあって、めちゃめちゃ怖いです。そんなアドベンチャーだとはつゆほども思ってもいなかったんですが。
ところが、不思議なことに、しばらく進むと、ヤブがなくなって、ちゃんと道がありました。なぜ入り口だけが消失しているのか?

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