古くから日本各地で語り継がれてきた妖怪の物語。地域の信仰や暮らしと深く結びつき、時代を越えて受け継がれています。近年ではこうした伝承を観光資源として活用し、町おこしやイベントをおこなう地域も増えてきました。鳥取県境港市の「水木しげるロード」のように妖怪を前面に打ち出して成功した例もあり、妖怪にまつわる魅力的な地が全国各地に点在しています。今回は、その中から歴史と物語を体感できるおすすめのスポットをご紹介しましょう。
岩手県遠野市で『遠野物語』の世界を歩く
妖怪や不思議な存在が息づく街として有名なのが、柳田國男の著書『遠野物語』で知られる岩手県遠野市。ここには、河童や天狗といった妖怪をはじめ座敷童やオシラサマなど、地域独自の信仰や風習が残っています。

市内には『遠野物語』の世界観や背景を学べる「遠野市博物館」があり、展示や映像を通して物語の奥深さを感じられます。さらに、常堅寺の裏手にある「カッパ淵」も河童伝説の舞台として知られる名所。静かに流れる水を眺めていると、まるで河童が潜んでいるかのような雰囲気を感じられます。

また、物語の舞台のひとつである山口集落は、伝統的な農村の景観が色濃く残ることから、国の重要文化的景観に選定されています。季節ごとの風景を眺めながら歩けば、昔話の登場人物や妖怪がひょっこり姿を現しそうな感覚を味わえるでしょう。
児啼爺が暮らす村、徳島県三好市「山城・大歩危妖怪村」
四国の山深く、徳島県三好市山城町は、「山城・大歩危妖怪村」と呼ばれるユニークな観光地です。山城町には危険な崖や淵、暗い山道などが多く、子どもが危険な場所へ近づかないよう妖怪と関連付けて語る風習がありました。妖怪話に登場する祠や墓は今も数多く残っています。山城町ではそれらの伝説を後世に伝え、妖怪と共に暮らすことをテーマに町おこしをおこなってきました。

山城町は、全国的にも有名な妖怪「児啼爺(こなきじじい)」の伝承地。地元で長く語り継がれてきたその物語から、妖怪村は世界妖怪協会によって「怪」遺産に認定されました。村内を歩くと、妖怪をモチーフにしたオブジェや案内板が点在し、散策しながら写真撮影や伝承の物語を楽しめます。


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