ソトラバ

大河ドラマで話題「花山法皇」ゆかりの里山 アートやグルメも満喫プランを行く

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  • 銀杏
  • 里山
  • 風のミュージアム
  • サンダリーノ
  • 作品
  • 弥勒寺
  • 本堂
  • 登山口
  • 石仏
  • 山門
  • 琴弾坂
  • 花山法皇の御廟所
  • 景色
  • ケーキセット

権門の策謀によって退位させられた“悲劇の天皇”第65代花山天皇。わずか17歳で即位したものの藤原兼家との政争に敗れ、たった2年で退位、出家する運命に。昨年のNHK大河ドラマでは、本郷奏多さんが花山法皇役を演じ、話題となりました。

花山法皇は出家後都を離れて仏道修行の旅に出て、西国三十三所観音巡礼の再興に力をいれたそうですが、旅の途中で立ち寄った三田の東光山をとても気に入り、巡礼後の余生を過ごす場所と定めたそうです。そして41歳で崩御されるまで、この地で静かに隠棲されたのだとか。

現在は花山法皇の菩提寺として知られ、紅葉の名所としても人気。よく晴れた秋の一日、郊外の里山歩きとプチ登山を兼ねて、この山を訪れてみました。

彫刻が空に舞う「風のミュージアム」からスタート

三田市郊外にある広大な自然公園、兵庫県立三田富士公園。その一角にある「風のミュージアム」を起点として歩くことにします。「尼寺」と書いて「にんじ」と読むバス停をスタート。

里山

周辺はのどかな里山風景が広がるエリアで、空が広くてとても気持ちがいい場所。緑ゆたかで空気も澄んでいます。広い三田富士公園の中でも、北側ゾーンにあって千丈寺湖に近い一帯が、彫刻家として世界的に名高い新宮晋さんの野外作品が多数展示されている「新宮晋 風のミュージアム」です。

風のミュージアム

風や水で動く彫刻作品で知られる新宮晋さん。昨年米寿を迎えてなお、世界中から作品のオファーが舞い込み、いろんな国を駆けまわっているアーティストです。

三田の自然環境が気に入って、この地にアトリエを構えたそうです。広々とした芝生の中にいろいろな形の作品がたくさん展示されていて、ゆらゆらと動く彫刻を眺めながら歩くのはとても面白いです。

作品

新宮晋さんが生み出したキャラクター「サンダリーノ」も風を受けてゆったりと空を舞っています。宇宙から三田にやってきた子ども? だそうです。サンダリーノを主人公としたミュージカル作品もあったような。

サンダリーノ

11人の尼さんが法皇のために琴を弾いた場所?

先ほど降りたバス停名は「尼寺(にんじ)」。花山法皇を慕ってはるばる都からやってきた11人の女官に由来する地名なのだそうです。都を離れ、修行の旅に出た法皇が東光山にお入りになったと聞いた女官たちが、身の回りのお世話をしようとこの地へやってきたのですが、お寺は女人禁制。

入ることができなかったため、みな黒髪を切り落として尼となり、山の麓であるこの地に住むことにしたそうです。せめて離れた場所からでも法皇の御心を慰めようと、お寺に近い峠まで登って琴を弾いたと伝わるのが「琴引峠」。

この付近の地形図を眺めているとき、ふとその名をみつけて登ってみることにしました。山中にたくさんの弥勒さんの仏像が点在する、とても不思議な雰囲気のお寺の上にあるみたいです。

弥勒寺

境内を通り抜けて一番上まで登ってみたのですが、花山法皇や尼さんたちに関するものは何も見つけられず。もしかして地形図の文字がそこにレイアウトされているだけで、本当の峠はその横だったりする?

よく見ると「琴引峠」という文字の両側が峠地形。本当の峠は反対側だったのかな? でもせっかく登ったので、不思議な雰囲気のお寺の裏手からちょっと景色を眺めてから、いよいよ主目的の東光山へと向かいます。

登山口

登山口にはたくさん木の杖が立ててありました。でも、お寺のある山頂付近まで車で登れるみたいです。しばらく、とても急な舗装道が続きました。息を切らせつつ登っていくと「琴弾坂」と刻まれた石標が。

琴弾坂

もしかして琴を弾いたのはココ? 地図の琴引峠はココじゃないみたいだけど。当時、ココまでは女性も登ってよかったのかな?よくわからないのですが、道端には石仏が祀られだんだんお寺の参道らしい雰囲気になってきました。

石仏

花山院菩提寺に詣でる

非常に急な坂道を登り詰めると、ようやくお寺の山門が見えてきました。「東光山」の扁額がかけられています。山門をくぐり、さらに石段を登っていくと本堂がある境内へ。紅葉が彩るお庭に建つのは、このお寺の本堂でもある「花山法皇殿」です。

本堂

境内には銀杏の巨木があり、訪問した昨年秋はちょうど色鮮やかに黄葉していました。本堂から少し離れたところに、石の柵で囲まれた御廟所があります。非常に静謐な雰囲気で、中には宝篋印塔が建てられていました。

花山法皇の御廟所

冬には雲海が見られるという山上の眺望スポットへ

境内の一角から南西側の景色を眺めることができます。この日はよく晴れていて、かなり遠くまで見渡すことができました。空気が澄んでいれば播磨灘に浮かぶ小豆島まで見えるのだとか。まこの付近は冬には早朝に霧が出ることが多く、そんな日には雲海に浮かぶ三田富士を見ることができるそうです。

景色

このお寺のご詠歌は「有馬富士 麓の霧は海に似て 波かと聞けば 小野の松風」というもの。花山法皇の御製と伝えられています。海のような霧の中に屹立する優美な三田富士の姿をぜひ見てみたいもの。でも早朝に来ないとダメなんですよね……。

さて、山から下りたらお楽しみの下山グルメ。三田富士公園の東側エリアにある焼き菓子の名店へ立ち寄ります。「贈り物菓子食堂 Mouette」という熟練のパティシエールさんが美味しい洋菓子を作っている工房です。

ケーキセット

お庭には栗の木があって、毎年秋限定で栗のケーキが登場します。ホントの目的はココだったりして……。この日いただいたのは、栗のタルトと栗のショートケーキ。甘露煮に仕上げた大ぶりの栗がごろっと入っていて、とっても幸せになる美味しさでした。

のどかで美しい三田の秋景色と、里山の幸を味わって、とても満足感の高い一日でした。下山グルメのある山って、やっぱりいいなぁ。