横浜の北西に位置する緑区には県内でも有数な緑地公園が集中しています。県立四季の森公園に加え、新治市民の森公園に三保市民の森公園が、JR横浜線と東名高速、そして保土ヶ谷バイパスに囲まれるように点在しています。なかでも新治市民の森は新治里山公園に続いており、市内でも最大級の面積を誇る里山公園です。
横浜市内で2番目の規模を誇る市民の森が緑区に
横浜市には緑地保全と市民の憩いの場づくりを目的とした市民の森制度が1971年から実施されています。現時点で市内47ヶ所、総面積約556ヘクタール。市内南部地区に中・大規模な市民の森が集まっていますが、市北西部の緑区に規模2番目の市民の森があります。新治市民の森です。

新治市民の森の最寄駅はJR横浜線の十日市場駅となります。駅から徒歩で20分前後。公式では15分となっています。もしくは同駅から市営バスで郵便局前バス停下車・徒歩8分で新治里山公園から立ち入ることができます。にいはる里山交流センターで、市民の森ガイドマップを入手して、いざ森へ。
スギとヒノキの山林から熊笹の小径と竹林の豊かな森
同市民の森には多くの立ち寄りスポットがありますが、学校や住宅街に囲まれたこの里山には神奈川百名山の一座の丸山があります。丸山を目指して向山尾根ルートを進みます。

同市民の森には向山尾根ルートのほかに池ぶちルート、旭谷戸ルート、尾根道ルート、鎌立谷戸ルートの全5ルートになり、すべてを組み合わせて園内を1周したり縦横に散策することができるようになっています。今回は交流センターから丸山とその周辺の園内中央部にフォーカスしてみました。それだけでも十分な歩きでありますよ。

園内には順路標識が豊富にありますので、ガイドマップさえあれば園路外に踏み入らない限りは、道迷いはないと思われます。誘導標識には青いプレートの地点番号が打ち据えられていますので、番号の確認は怠らないように。

向山尾根に踏み入ってすぐに鬱蒼とした静かなスギとヒノキの森が広がります。木々の合間から春の柔らかい陽の光が差し込み、園路を照らし出してくれているかのようです。踏み入って程なくで急登です。湿気を帯びた園路は、やや滑りやすく、スニーカーでは難儀しそうです。

登りきったクマザサの密集地に向山の案内標識が立っています。なんでも横浜市内でもクマザサがまとまって生育しているのは珍しいそうです。

園路の先でクマザサの密集地が途切れたと思えば竹林が展開します。森からクマザサの道、そして竹林と景観のバリエーションもなかなかに豊かです。思わず、いい森だなぁと独りごちしてしまいました。
