2023年5月、初代デリカミニの発売と同時に『デリ丸。』が山のなかを駆け回るCMが放送された。思わず口ずさんでしまう「三菱のデリカミニ♪」のフレーズと、やんちゃで愛らしいキャラクターは瞬く間に世間に浸透し、免許を持たない友人からデリ丸。のLINEスタンプが送られてくるほどの人気となった。
『デリ丸。』のおかげとまでは言わないが、デリカミニの登場で従来のeKシリーズから販売が2倍に伸びたのは、CMの効果も大きかったのだろう。そして、先代発売から約2年後となる2025年秋、オーナーの声を反映するかたちでデリカミニがフルモデルチェンジを迎えることになった。
“らしさ”に磨きをかけたエクステリア
外装デザインはフロントマスクがさらに『デリ丸。』らしくなった。半月型のライトはひと回り大きくなり、オレンジに光るターンライトはまさに“ヤンチャ可愛い”『デリ丸。』そのもの。そして私が「よくぞここまで……」と感動したのは、フロントグリルから少し下に突き出た三菱のエンブレムだ。犬のようでたまらなく愛らしい。

というのも、犬の口元には鼻から口へ伸びる線(人中とも呼ばれる)があり、それがうまく再現されているからだ。もっとも『デリ丸。』がイヌ科かどうかは別として(メーカーはデリカミニの化身と説明している)、この表現があるからこそフロントフェイスに表情が生まれ、見るたびに愛おしさを感じさせてくれるのだろう。
最先端の装備とレイアウトを兼ね備えたインテリア
いっぽうのサイドはトレッキングシューズのソールのようなゴツゴツしたデザインのホイール。リヤはブロックモチーフのコンビランプやスキッドプレートのワイド化など、商品コンセプト“頼れる相棒”を体現している。

内装はピラーが約10㎝前に出たことでクォーターウインドウが大きくなり、開放感が向上。従来型では死角になりがちだった左右前方も見やすくなった。また、エンジン始動時にはメインディスプレイにデリ丸。の目がキョロキョロと映し出される演出がありユニークだ。

さらにドリンクホルダーを触るとムニっと弾力があり、なんとも形容しがたい面白い触感で、つい指でつついてしまった。まさに“見るだけでなく触ってワクワクする”仕様といえる。