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深夜2時半に自宅を出発! 「夏山閉山直前」で還暦オヤジが標高3776mの富士山頂を初登頂

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2025年は猛烈に暑い夏となりました。7月中旬に予定していた「還暦富士山初登頂」の予定が台風直撃&道路も通行止めで無惨にも中止となりました。リベンジの9月富士登山規制期間最終の土曜日。またしても台風再来で今年はもうダメか……? と思っていましたが山登りの師匠の機転で日帰り富士山登山に切り替えて、なんと台風一過の最高の天候でした。富士山初登山で山頂にある八神峰(はっしんぽう)=8つの峰のひとつ、最高峰の剣ヶ峰(標高3776m)へ行ってきました。

始発のシャトルバス待ちで大行列

スタートは自宅を午前2時半に出発。深夜なのに熱気で暑い。山登りの師匠のクルマで一路富士宮口の駐車場がある水ヶ塚公園へ。午前4時前に到着となりました。駐車場代2,000円を払ってクルマを駐めしましたが、午前4時半始発のバス待ちで大行列でした。

さすが富士登山! シャトルタクシー(片道目安5,200円小型車乗車4人)で素早く5合目駐車場へ行く人もいました。一番バスに無事乗車することができ、補助席も使ってフル乗車でシャトルバスに揺られて35分。ちなみにシャトルバスは往復大人2,400円です。

入山料はPayPayでの支払いもOK!

富士宮口5合目に午前5時過ぎに到着。夜明け前の5合目でまずはトイレと休憩施設でクリームパンにアミノ酸サプリとローソンのおにぎりをペロリといただきました。事前登録をしていなかったので現場で講習と申請をして、入山料4,000円をペイペイで支払いました。入山証を手首に巻き付け、富士山表口5合目標高2400mからいよいよスタートです。

雲海荘から臨む眺望に魅せられる

台風通過で空気も綺麗になったのか、鮮やかな朝焼けと御来光。そして午前5時40分に6合目までの山道途中で富士山の影も見ることができました。巨大な影に感動……、幸先良きスタートでした。午前6時前に6合目宝永山火口入口の雲海荘に到着。ちなみに7月から9月10日までの富士登山規制期間は宝永山も規制対象なので入山証が必要でした。

生まれ変わったような気持ちいい朝日を浴びて6合目からいよいよ本格的な富士登山開始です。午前6時半、眼下には越前岳、駿河湾、伊豆半島、富士宮市が一望でき、遠くは相模湾の江ノ島も黄金色に輝く海原に浮かんで見えます。

いよいよ高所未体験の3000mエリアへ踏み入る

目指す富士山頂は遥か遠くですが、最高の眺望に心が躍りました。富士宮口新7合目御来光山荘(標高2780m)へは6時45分に到着。元祖7合目の山口山荘の間で、高所未体験3000mエリアに突入です。元祖7合目山口山荘(標高3010m)には午前7時半に到着。

ここから富士山本宮浅間大社奥宮境内地に入ります。境内地は東京ドーム約360個分もあるとか。この場所からは宝永山が見下ろせ、雲がモクモクと湧いてくるのが見えます。

ラジオ体操で体調不良は不思議と改善!?

8合目の池田館には午前8時20分に到着。屋根上には布団が干してありました。お賽銭の差し込まれた古木を通り過ぎ、9合目万年雪山荘(3460m)には午前9時過ぎに到着。さすがに空気が薄く玄武岩を乗り越え、ひたすら登るのに疲れがピークに。脚の筋肉も悲鳴を上げている感じです。ちょっと頭痛もしてきたので、ローソクの火を消すつもりで強く息を吹き出し、深呼吸を繰り返しました。

ここで万年雪山荘のスタッフさんが揃って朝のラジオ体操第一を始めたので、便乗して体操です。するとちょっと体調改善。ここが正念場とローソンおにぎりをかぶりつき、凍らせてナルゲンボトルに入れてきた自家製梅酢水がいい感じでとけてヒンヤリと喉を潤し、五臓六腑に染み渡ります。大事な水分とエネルギー補給でパワーを注入しました。

胸突山荘まで着いたら富士山頂まで200m

そして最後の山小屋「胸突山荘」に午前9時40分に到着。山頂付近が目視できる場所までやっと来ました。富士山山頂まであと200mですが、この200mがとってもキツいのです。急登つづら折りの最後の難所です。

苦しい登りも一歩ずつ登ると、やがて山頂鳥居に辿り着きます。午前10時35分富士山頂上浅間山大社奥宮にお参りしました。そこから休む間もなく剣ヶ峰へ。フラフラ足取りもおぼつかないなか、なんとか富士山最高峰ポイントへ。休むと動けなくなりそうでした。

午前11時に無事「日本最高峰」を踏破

富士登山の凄いところは火口にありました。地殻の爆発、地球の誕生を思わせる火口の圧倒的な風景が疲れた脳を鋭く刺激します。火口の縁に目指す剣ヶ峰が見えました。最後の急斜面の馬の背をフラフラと滑る足元に気をつけながら登り切りました。午前11時日本最高峰富士山剣ヶ峰に到着です。順番待ちをしてお約束の写真撮影。ここからの火口の眺めも最高です。

人生で一度はたどり着きたいところがあるとすれば此処かもしれません。しばし富士山火口の風景を眺めながら昼飯。スパイシーカレー味のカップラーメンが最高の味でした。台風一過の晴天で、風もなく穏やかな気候の富士山山頂。願わくばこの場所でのんびり昼寝をしたいところですが、地獄の下りが待っているので気合を入れ直して下山します。

山登りのゴールは山頂ではなく、家族が待つ家がゴールです。下山開始は正午12時で5合目駐車場に15時20分過ぎにたどり着き、16時発のシャトルバスで水ヶ塚公園へ。帰りのバスのシートには登山者の汚れ防止だと思いますがビニールシートが被せてありました。

バスを降りると富士登山中は快晴だったのに下界は土砂降りの雨でした。足柄温泉で冷水と温泉でカラダを癒しました。無事帰宅後、筋肉痛に苛まれつつ、スマホの写真を見ながら反省会。来年また富士山山頂に帰りたいという気持ちが高ぶりました。