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もし最終的にクマに襲われたらどうする? そのとき身を守るためにできる事とは

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クマによる人身被害は2025(令和7)年、死亡事故は過去最悪の人数となっています。もし「クマに襲いかかられた」場合を想定し、『ドキュメント クマから逃げのびた人々』の実際に被害に遭った人の事例もとり上げながら、そのとき何ができるのかを考えていきましょう。

実際にクマと格闘して生還した人

北海道在住、ハンターの山田さん(当時69歳)は2022(令和4)年7月の駆除活動中、自分が撃った手負いのヒグマを探しているとき、笹薮から飛び出してきたそのクマと5分以上も素手で格闘しました。

右拳がクマの口に入り、横腹から飛び出していた腸を引きずり出したところでようやくクマは逃げて行ったのですが、山田さんは主に上半身を中心に、約70針も縫う大けがとなりました。

滝上現場

また岩手在住、山菜採りを生業とする佐藤さん(当時57歳)は、2023(令和5)年9月、マイタケを採っていたところ、親子グマに遭遇。襲ってきた母グマと格闘することになります。

佐藤さんは木の陰に隠れ大声を出しながら、持っていた山登り用の杖を力の限り振り回し、クマの鼻先にヒットさせました。しかし腕を噛まれ、クマの爪で左足の腿も4カ所ほどえぐられましたが、クマは腕を噛むとすぐさま逃げていきました。

佐藤さんがYouTube用にヘッドカメラを装着していたため、その緊迫した攻防の一部始終は動画で見ることができます。

クマが向かってきたときの正解はない

このような接近戦は、そう頻繁に起こるものではなく一例ではありますが、クマがどのように襲ってくるかは予想がつきません。クマは、人に向かってグラフチャージという威嚇突進攻撃を仕掛けてくることがありますが、突進してくるも、急に踵を返して逃げていくこともあります。

本当に対峙することになるかどうか、クマが自分に向かってきた場合の正解はないといいます。向かってきたとき、冷静でいられる人はいないと思いますが、前回述べたように、絶対にやってはいけないことは「背中を向けて走って逃げること」です。

クマの爪