登山靴は、防水仕様が当たり前になっています。確かに、登山のときはいつ雨が降ってくるかわからないので、それに備えて、「防水」はなくてはならない機能です。シューズ売り場を見ても、基本はどのモデルにも防水が施されているマークが付いています。
でも、備えることは大切ですが、山の天気は変わりやすいといっても必ず雨が降るわけではありませんし、今日は天気が怪しいと思ったら山には行かないとすれば、防水仕様はなくても困らないのでは、と考える人もいるのではないでしょうか。
ということで、ズバリ、防水機能って必要なんですか? 「スポーツシューフィッター」の肩書きを持つ、石井スポーツ登山 本店の難波花英さんに聞いてみましょう。
防水機能は単に水の浸入を防ぐだけではない!?
難波さん、ホントに防水シューズは絶対に必要なんですか?
「はい、絶対に必要です!」と難波さん。実はなくても‥‥‥みたいな返答もあるかなとちょっと期待していたのですが‥‥‥。でも、そのきっぱりとした答え方に、防水の必要性を強く感じ取りました。では、どうして絶対に必要なんでしょうか?
「登山靴の防水機能は、単に水の浸入を防ぐだけではないんです。実は、砂の侵入防止にも役立っています」(難波さん)。なるほど、防水仕様が防ぐのは水だけではなく、砂などの固形物も対象になっているんですね。

防水素材がバリアになって細かな砂の侵入も防ぐ
ゴアテックスに代表される防水仕様のシューズには、生地の中に防水シートのような素材がサンドイッチされています。「これがバリアになって、外部から細かな砂が靴の中に入ってこないんです」(難波さん)

最近のシューズは、アッパーにメッシュ素材が採用されるなど、通気性がとても良くなっています。「そのため、細かい網の隙間からも砂などが入ってしまい、気がついたら靴の中がジャリジャリしているなんてことがあるんです」(難波さん)
確かに、普段スニーカーを履いていて、気がついたら靴の中に細かな砂が入っていることってあります。あれは、メッシュの隙間からも入っていたんですね。防水仕様のありがたみが、具体的にイメージできました。
防水仕様があれば靴ずれの防止にもなる
また、防水仕様があることで、履き心地に関してもメリットが生じるそうです。
「シューズが防水仕様になっていないと、濡れた山道で生地が湿ることによって、靴の中もだんだんと湿ってきます。その湿気によって靴の中で足がずれやすくなるんです」(難波さん)

ずれやすいということは、足のあちらこちらに負担をかけることになります。足の裏に水ぶくれができたり、豆になったりと、あとあとまで引きずることにもなるので、靴の中は常にドライに保っておくことが重要。そのためにも、防水仕様って役立つのですね。

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