はじめての登山に行くとき、登山靴選びはとても重要になります。自分の足にフィットする、歩きやすくてデザインのいいモデルが欲しいですね。
でも、ショップに行って自分だけでサイズを合わせて買ってしまったり、ネットショップで見た目だけで選んでしまったりすると、思わぬ失敗をする可能性が……。
実は、シューズを選ぶ際に一緒に検討したいのが、「ソックス」と「インソール」なのです。どういうことなのか、「スポーツシューフィッター」の肩書きを持つ、石井スポーツ 登山本店の難波花英さんに教えてもらいました。
試着のときは中厚手以上のソックスをはいてほしい
例えば、あなたがビジネスで履くシューズを購入するとしましょう。そのとき、どんな靴下をはいて靴屋さんに行きますか? おそらく、そのビジネスシューズを履くときに着用したい靴下をはいていく、あるいは持って行くと思います。
それは、登山靴を選ぶときも同じです。ただ、登山のときは通常よりも厚手の靴下をはくので、その準備が必要です。「試着をするときは、中厚手以上のソックスをはいてください。フィット感が変わらないよう、登山に行くときも試着したときと同じ厚みのソックスをはきましょう」(難波さん)

あまり薄手のソックスだと、靴ずれを起こしたり、足首が痛くなったり、疲れやすかったりするので、最低でも中厚手のものを選ぶことが重要です。それなら、はじめてシューズを買うときに、試着時にソックスも併せて購入するといいかもしれませんね。
メリノウールなら吸湿性&放湿性と消臭性がある
では、ソックスを選ぶときには、どんな点をチェックしたらいいでしょうか。
「まず、中厚手以上を選んでクッション性を重視することに加え、素材も確認してください。メリノウールを使っているのがおすすめです」と難波さん。メリノウールは、最近話題になっている天然素材。一般的なウールと比べると繊維が細く、保温性が高いことはもちろん、湿気を吸って逃がしてくれる機能を持ちながら、消臭性も高いというのが特徴です。

「メリノウールの吸湿性と放湿性によって、汗をかいても濡れた感じがしませんから、汗冷えしにくいといったメリットがあります。しかも、抗菌消臭性が高く、いっぱい汗をかいても汗臭くなりにくいんです」(難波さん)
そのため、1泊程度の山行であれば、1足でも問題なく過ごせます。2、3日、同じソックスをはき続けている人もいるほどなので、その効果はかなり高いと思われます。
インソールを替えるとフィット感がより向上する
次にインソールですが、そもそもインソールはシューズの中にもともと入っているのに、なぜ交換しなければならないのでしょうか。
「それは、フィット感が向上して、疲労予防や靴ずれ防止など、あらゆる面でメリットがあるからです。足に靴がフィットして疲労も軽減できれば、転倒防止にもつながります」(難波さん)。標準のインソールは、どんな足型の人にも合わせやすいよう薄く平らになっているため、人によっては、靴の中で足がずれて指が当たったり、長時間歩いたあとで足の裏が痛くなったりといったケースもありうると言います。

シューズの購入時にインソールはいらないと言っていたお客さんが、数ヵ月後に、インソールを買いにくるといったケースも少なくないそうです。

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