いろいろと動き回ったり、焚き火に当たったり、温かい食事をとったりして体が温まったら、その熱をできるだけ逃したくないものです。それにはウェアが重要な役割を果たします。暖かい上着を着ていればいいのでは？　と考えるかもしれませんが、実は重要なのは、もっと内側にありました。アルペントーキョーの加藤祥太さんに、詳しく聞いてみましょう。

大切なインナーにはメリノウールが最適

温まった体の熱を逃がさずに維持するには、ウェアを上手に着こなすことがポイントです。特に、一番内側に着る「インナー」がカギを握ります。たくさん服を着込んでいればあったかそうに思えますが、インナーの素材によっては、熱が逃げやすかったり、逆に熱がこもってしまったりと不快感を覚える場合があります。でも、優れた素材のインナーを着用すれば、そういったことを防げるのです。

その素材が、「メリノウール」です。「メリノウールは、一般的なウールよりも繊維が細い天然素材で、優れた体温調節機能を持っているんです」（加藤さん）

保温性、吸湿性、放湿性、防臭効果などに優れる

メリノウールは、「メリノ種」の羊から取れる羊毛で、アウトドアウェアとしていま最も注目されている素材です。保温性が高い一方で、吸湿性、放湿性にも優れているので、寒い季節にも暑い季節にも対応できるのが特徴です。

「寒いときでもしっかりと暖かさが保たれて、汗をかいても繊維が吸収してくれるために湿気がこもらず、汗冷えすることなく快適に過ごせます」（加藤さん）

防臭効果が高いのも人気の秘密で、キャンプではお風呂やシャワーに入れない場合もありますが、数日間着ていても、ニオイを気にせずに活動できるメリットがあります。