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新聞紙で炊飯する「魔法のかまどごはん」が進化! 防災現場の切実な声から生まれた2つの新オプションとは

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2023年、関東大震災から100年という節目にタイガー魔法瓶が発表した「魔法のかまどごはん(KMD-A100)」。電気やガスを一切使わず、わずか新聞紙一部を燃料としておいしいごはんが炊けるというこの製品は、発売以来大きな反響を呼びました。

「2024年度グッドデザイン賞」ベスト100への選出をはじめ、数々の賞を受賞した本製品は、いまや一般家庭だけでなく自治体の備蓄品としても導入が進んでいます。しかし、タイガー魔法瓶の挑戦はここで終わりません。2026年1月15日、同社は防災現場やユーザーからの具体的な要望に応えるため、利便性と安全性を飛躍的に高める2つの専用オプション品を発表。2026年2月5日の発売に先駆け、予約受付を開始しました。

開発の原動力は被災地や自治体が発した「現場の声」

「魔法のかまどごはん」は、単なるアウトドア用品ではなく、極限状態での「食の団らん」を守るために開発されたものです。そのため、タイガー魔法瓶は実際に製品を使用しているユーザーや自治体へのアンケートを徹底。

そこで浮かび上がったのが、2つの大きな課題でした。「台がない場所では腰が痛い。足場が悪いと転倒が不安」「冬場の屋外だと、せっかく炊いたごはんがすぐに冷めてしまう」という、これらの切実な声に対するタイガー魔法瓶の回答が、今回発売される「ハイスタンド」と「マルチカバー」です。

立ったままの作業を実現する「専用ハイスタンド」

従来の「魔法のかまどごはん」は、地面に近い位置での作業が基本でした。しかし、避難所や瓦礫の残る屋外では、適切な高さのテーブルを確保できるとは限りません。「専用ハイスタンド(KMD-Z10H)」は、椅子に座った状態での作業に最適な高さを提供。新聞紙を投入し続けるという炊飯プロセスにおいて、無理な姿勢を強いないことは、心身ともに疲弊している災害時には極めて重要な要素です。

転倒を防ぐ安全設計を採用

屋外、特にキャンプ場や災害現場の地面は必ずしも平坦ではありません。このスタンドは、重心バランスと脚部の安定性を追求。新聞紙に火を扱う製品だからこそ、倒れにくい「安全性」を最優先した設計となっています。

冬の寒さから温もりを守る「専用マルチカバー」

災害は時を選びません。真冬の屋外や暖房のない避難所では、炊きたての温かさが何よりの贅沢であり、体温維持にも直結します。なかでも「むらし」の工程を簡略化したことで、通常、「魔法のかまどごはん」でおいしく炊き上げるには、炊飯後の「むらし」の段階で熱を逃がさないよう、追加で新聞紙を投入するなどの工夫が必要でした。

しかし、アルミ製の「専用マルチカバー(KMD-Z10M)」を使用すれば、被せるだけで熱を閉じ込め、手間をかけずに理想的な蒸らしと保温が可能になります。

多機能な「3in1」設計

驚くべきは、その汎用性です。保温カバーとして炊飯中や炊飯後の熱をガード。保護カバーとして収納時には本体を衝撃から守る堅牢なカバーになるほか、バケツとして専用ポーチ(別売)と組み合わせることで、水を運ぶバケツ代わりにも活用できる設計になっています。

「ひょうご安全の日のつどい」での実演と開発者の想い

タイガー魔法瓶は、阪神・淡路大震災から31年を迎える2026年1月17日、神戸で開催される「ひょうご安全の日のつどい」にブースを出展。

このイベントでは、実際に「魔法のかまどごはん」を使った炊飯体験やおむすびの試食が行われます。「被災者の方への聞き取り調査を行い、本当に必要とされる製品を目指した」と語る開発者の想いが、実際に炊き上がるごはんの湯気とともに、次世代へと受け継がれていく場となるでしょう。

幸せな団らんをどんな時でも!

タイガー魔法瓶が掲げるビジョン「世界中に幸せな団らんを広める」。それは電気が通っている日常だけでなく、ライフラインが途絶えた漆黒の夜であっても変わりません。

今回発表されたオプション品は、単なるアクセサリーではありません。「魔法のかまどごはん」をより実戦的な「ライフライン」へと昇華させるためのラストピースと言えるでしょう。一家に一台、そして自治体に一組。新聞紙一部が生み出す温かいごはんは、私たちの「もしも」を支える、最も力強い魔法になるはずです。