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停電・断水下でもクーラーや温水シャワーを提供! 平時も有事も多用途に対応できる「フェーズフリー」な防災車両が誕生

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国内のハイエースベース・キャンピングカー製造台数において首位を誇り、業界を牽引するトイファクトリーは、創業以来培ってきた「車中泊を快適にする技術」を社会課題の解決に役立てるべく、自治体向け多目的防災車両「マルモビ」シリーズを展開しています。

この度トイファクトリーは岐阜県御嵩町(みたけちょう)と公民連携し、軽EV(電気自動車)をベースとした新型車両「マルモビライトEV」を共同開発しました。本車両は御嵩町の公用車として導入されるとともに、災害時には「動くエネルギーシェルター」として平時には「地域活動を支えるモビリティ」として機能する、新しい時代の防災の形を提案するコンセプトモデルです。

自治体が抱える「移動」と「防災」のリアルな課題

「マルモビライトEV」の開発は、トイファクトリーのBtoB・BtoG特化部門である「TFME(Toy Factory Mobility & Energy)事業部」が、御嵩町をはじめとする自治体の現場職員の方々と直接対話を重ねることからスタートしました。現在、多くの自治体では以下のような複雑な課題に直面しています。

夏季の極端な猛暑では、熱中症リスクが高まる中、屋外イベントや登下校時の見守りにおける「涼める場所」の確保が急務です。また、高齢化による外出機会の減少、地域コミュニティの維持や、移動支援のニーズが増大するほか、災害対策のアップデートとして大規模災害時の停電・断水下で、いかにしてプライバシーを保ちながら「衛生」と「快適な温度」を確保するかが求められます。

従来の大型防災車両は、機能は豊富ですが「細い路地に入れない」「運転できる職員が限られる」「平時の使い道に困る」といった弱点がありました。そこで、御嵩町が公用車として所有していた三菱自動車「ミニキャブEV」をベースに、トイファクトリーの架装技術を融合。「軽自動車ならではの機動力」と「EVならではの給電能力」を掛け合わせた、これまでにない解決策が誕生しました。

「マルモビライトEV」の主要機能と革新性

本車両は、単なる荷物運びの軽バンではありません。EVのバッテリーを最大限に活用し、有事の際でも生活の質を維持するための「インフラ」としての機能を凝縮しています。

「HOT&COOL」を実現する独自の温調システムの搭載により、トイファクトリーが独自開発した車載スポットクーラーを搭載。1500Wのフル充電状態から、600W設定で最大15時間の連続冷房運用が可能であり、急速冷却では炎天下で40℃に達した車内温度を、短時間で27〜30℃まで低減。もちろん、クリーンな稼働により、電気駆動のため、排気ガスを出さずに学校や公園、避難所の室内外で安全に利用できます。

衛生面を支える「温水シャワー」と「冷温庫」

災害時の避難生活で最もストレスとなるのが「清潔の保持」です。そこで温水シャワーは、断水時でも体を拭う、あるいは衛生を保つための温水を提供。ペットのトリミング環境としても活用可能です。また、飲料の保冷だけでなく、医療品の保管などにも役立ちます。

休息スペースと「脱着式家具」による柔軟性

後部座席をフラットにすることで、大人が足を伸ばして横になれるスペースを確保。さらに、特許技術である「脱着式家具」を採用しています。このシステムは、必要に応じて家具を取り外し、車両を元の状態に戻せるため、リース車両や既存の公用車への架装にも柔軟に対応。後部ドアにパーテーションテントを設置することで着替えやプライバシーを確保した休憩室として空間を拡張できます。

御嵩町「よってりゃあ御嵩」での反響

2025年秋、町制施行70周年を迎えた御嵩町で開催された「第28回 よってりゃあ御嵩」にて、本車両が初披露されました。当日は、御嵩町・渡辺幸伸町長によるプレゼンテーションやデモンストレーションが行われ、集まった地域住民から驚きと期待の声が上がりました。従来の「いかにも」な防災車両とは一線を画す、親しみやすいデザインも特徴です。

会場では、小学生から「夏に涼める場所として使われるのが楽しみ」といった声や、消防団員から「災害時の仮眠スペースとして重宝する」といった具体的な活用への期待が寄せられました。

御嵩町 渡辺幸伸町長コメント

「EV活用は、単なるクルマの入替えではありません。電気を『走る』だけでなく『使う』という、エネルギーの新しい役割を地域に根付かせるための大きな一歩です。このマルモビライトEVは、機動性を活かしたクールスポットの提供や温水の提供など、日常の力強い味方になってくれると期待しています。EVが電気を分け与える時代へ。御嵩町の未来を乗せて、走り出すこの車に、どうぞご期待ください。」