地形に合った長さやストックワークが肝心!「シナノに聞く」トレッキングポールの基本【vol.02 正しい使い方】

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  • 山道を歩くイメージ
  • STOPマーク
  • 斜面の歩き方

山登りや山道歩きの際、歩行をサポートしてくれる「トレッキングポール」。昨今の山歩き・ハイキング人気を背景に、改めて注目されているアイテムです。

そこで、100年の長きにわたってスキーヤーや登山家の冒険を支えてきた老舗ポールメーカー、株式会社シナノの広報担当・竹内さんに、その正しい使い方についてお聞きしました。

目線は前に、重心は真下に行くように

トレッキングポールは歩く斜面によって持ち方、歩き方を変えることで、その機能を最大限に生かすことができます。ここでは主流であるI型グリップのダブルタイプの使い方を紹介します。

まず、まっすぐに立ち、肘が直角になる高さから0~2cm程度短くなるようにグリップを握ります。これが基準となるサイズです。

「平地や緩やかな斜面では目線を前にして、重心を真下に置くようにします。常に重心が真下に行くようにポールで体のバランスを取りながら一定のリズムで歩くと、疲れにくくスムーズに歩を進めることができます。

歩幅は普段よりもやや狭くして、踏み出した足と反対側の手に持つポールを踏み出した足と並行か、やや前に突くようなイメージで歩きましょう」

登りは短め、下りは長めに調整して使用

登り斜面では、トレッキングポールの突く位置が斜面に沿って上がるため、自分の基準サイズより短くして使用します。

「地形斜度に合わせ、短く調整して使います。歩幅はやや狭くして、ポールで推進力を得るイメージです。ポールを足から離れた遠くへ突いたり、グリップを握る手を肩の位置よりも高くしたりすると、疲れやすいだけでなく、転倒や事故の危険が増します」

一方、下り斜面の大きな段差では約23kgfの荷重がかかります。トレッキングポールの長さを長めに調節しておきましょう。

「踏み出した足が地面につく直前に、反対側のポールを足と並行になる位置に突いて歩きます。歩幅は平地を歩くときよりも狭く、靴の裏全体をしっかり地面につけるイメージです。歩幅が小さくなるとポールを突く位置も体に近くなるため、重心移動が小さくなり、膝の負担をより軽減してくれます。

最初は慣れないかもしれませんが、こうした正しいストックワークを習得することで、体力の消耗や転倒を防ぎ、安全な歩行をアシストしてくれます。なお、トレッキングポールはあくまでもバランス保持のための道具で、危険回避用には作られていないので、適切な長さでご使用下さい」


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