秘密のゾーンにたちこめる馥郁たる花の香り
メジャールートの尾根道からはずれて、記憶をたどりながら谷筋の奥にあるお花のスポットを目指します。ちょっと迷いながらも、とある谷の奥の方へ。

あ!ココだった!
ほのかな香りが漂ってきます。
遠目には白く見える、もこもこしたコレ……!

明るい黄色がとてもきれいな「ミツマタ」の花。
ジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉低木で、早春の頃、葉を出す前にいっせいに花を咲かせます。まるで黄色いくす玉のような形の花がとてもキュートです。

黄色の花びらのように見える部分は筒状のガクで、外側が白い毛に覆われているため、上から見ると白っぽく、うつむいて咲く花の下から覗き込むと黄色に見えるのです。
枝が3つに分かれていることから、「ミツマタ」の名前があり、繊維が非常に強いので、和紙の原料として利用されてきました。

見た目もとても美しいのですが、香りがいいのも魅力。あたり一面に甘くて上品な香りがたちこめて、みんなうっとりとしています。
ちょうど、桜の中ではやや早咲きのエドヒガンも咲きはじめていて、春の柔らかな空色にエドヒガンの淡いピンクとミツマタの黄色が映えて、まさに能勢の里山、という風景。

このエリアは、元々は田畑が作られていたところで、池なども点在。この池はトンボが生息することで知られていますが、きっとホタルもいるんだろうな……。梅雨入りの頃に、ナイトハイクで来てみたいです。

ちなみに、昔々「オート三輪」と呼ばれていた軽トラの名車、ダイハツミゼットが朽ちかけながらもずっとあって、なんとなくコレに会うのも楽しみになってます。レトロ感がとてもかわいい。来年もまだあるといいな。