ハイキングスポットとしても人気の「湿原」。湿原ハイキングの魅力はなんといっても大自然の絶景を眺めながら、ゆったりと散歩できることですよね。そもそも湿原とは、野原全体に湧き水や川の水などが溜まっている、文字通り「湿った草むら」のような場所。水が豊かな日本では、全国各地に多くの湿原が存在します。そこで今回は、日本の代表的な湿原をご紹介。ぜひ参考にしてみてください。
唱歌にも歌われたミズバショウが咲き誇る「尾瀬」
まずは群馬・福島・新潟の3県にまたがる日本最大の高層湿原「尾瀬」。湿原には2種類あり、湿地の表面(地面)が地下水に浸っていて水面よりも低いものを低層湿原、表面が苔に覆われていて水面よりも高くなっているものを高層湿原と呼びます。

尾瀬では希少種を含む900種類もの動植物が確認されていて、まさに自然の楽園。環境保護のため、歩道以外の立ち入りは制限されています。シーズンは5月中旬~10月中旬。春はミズバショウ、夏にはワタスゲやキンコウカ、秋には草紅葉が湿原を彩ります。木道やベンチも整備されているので、自分のペースでゆったりと散歩することができますよ。

富士山・アルプス・八ヶ岳を一望できる涼やかな「霧ヶ峰」
続いて紹介するのはエアコンの名前でもお馴染みの「霧ヶ峰」。長野県にある高原で、富士山やアルプス、八ヶ岳連峰などが一望できます。この霧ヶ峰には、車山湿原・八島ヶ原湿原・池のくるみ踊場湿原の三大湿原があり、それぞれに遊歩道や木道を完備。レンゲツツジやニッコウキスゲなど、季節の高山植物が群れ咲く景色は息を吞む美しさです。

霧ヶ峰はアップダウンが少なく、なだらかな地形に広がっているのが特徴。初心者や家族連れにもおすすめです。夏はキャンプ場、冬にはスキー場もオープンしているので、お出かけついでに散歩を楽しんでみてはいかがでしょうか。
ちなみに池のくるみ踊場湿原では、カヤツリグサ科の植物が隆起して人の頭のように見える「ヤチ坊主」というユニークな現象も。一周60分ほどのコースなので、ぜひ探してみてください。