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登山中の「天候急変」対策が必須! 傘の携行に賛否があるもマストアイテムはレインウェア一択

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街中では、雨が降ったら傘をさしますが、山では、レインウェアを着用するのが基本です。トップスはフード付きのレインジャケット、ボトムスにはレインパンツという上下セパレーツのスタイルが最も汎用性が高い組み合わせです。

それ以外にも、バックパックの上からがばっと羽織れるポンチョや、腰回りをカバーするレインスカート、パンツの裾まわりをカバーするレインチャップスなど、いろいろなタイプがありますが、最初の1着として購入するなら、レインジャケット+レインパンツというスタイルがおすすめです。

バックパックカバーも兼用できるポンチョだと使い勝手がよい場合もあるのですが、強風下では雨を防げないし、状況によっては風にあおられて危険なこともあります。

レインスカートは、急な雨のときにさっと巻くことができる点は便利なのですが、やはり強風だと中の衣服が濡れてしまいます。チャップスも同様です。

チャップスなどは、雨上がりの草原を歩くようなときに、露でボトムスが濡れるのを防いでくれるので便利なのですが、オールマイティな雨具ではありません。

それでは、街でみんなが使用している傘は、山ではどうでしょうか。

山で傘を使用することの可否について

筆者は、風に強いアウトドア仕様の晴雨兼用傘を愛用しています。しかし、山で傘をさして歩いていると、「山で傘なんてダメだよ!」と言われることもあります。山ではレインウェアがマストで、傘は不適なのでしょうか?

否定派の意見はこうです。

「山道を歩くのに片手がふさがっているのは危険」、「稜線で風にあおられると危険」、「狭い山道ですれちがうときに危険」、「風が強いと傘なんてさしても意味がない」など、いちいちもっともです。先日、近所の里山で傘だけで歩いていたら、けっこうずぶ濡れになりました。

でも、傘の容認派として反論してみます。

傘をさして歩くのが危険な場所では使用しないし、さして歩いているとき、ほかの登山者とすれ違うときにはさっとたたみます。そもそも、風の強い稜線や、危険な場所では使用しません。筆者の場合、いつも傘を持って行きますが、レインウェアも当然携行しています。状況によって使い分けをする、あるいは併用すればいいと思っています。

寒くない時期に、静かにしとしとと雨が降る森の中の道を歩くようなときは、レインパンツだけを着用。ジャケットは着ずに傘をさすと暑すぎず、快適です。

もちろん、「傘なんて重いものを山に持って行くのはちょっと……」と思う人は持って行かなくていいと思います。どちらかの二択であれば、レインウェアが優先です。

ところで、雨具をどのように携行しておられますか? 以前、ビギナーの方たちと夏山登山で北アルプスに行った時のこと。初めての高い山で、しかもテント泊。事前に装備のことやウェアのことなど、いろいろとレクチャーをして、パッキングについても説明をしていたつもりなのですが……。

その日は朝からよく晴れていたのですが、昼過ぎくらいから急に黒い雲が湧いてきて、あっという間に土砂降りの雨になったのです。

「レインウェアを着てください! ザックカバーもつけてね!」とチーフリーダーが指示を出したのですが、一人だけ、バックパックから荷物を出してまわりに広げて、ごそごそしている人が。

雨がザーザーと降っている中でいったい何をしているのかと思ったら、雨具がほかの荷物の下の方に入っていて、なかなか見つからないようです。

結局、本人もずぶ濡れ、いろんな装備もずぶ濡れで、荷物はずっしりと重くなってしまいました。雨具は、すぐに取り出せるところに入れておいてくださいって言ったはずですよ!