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河口湖町や富士吉田からの映え「富士山」はインバウンドでガチャ! 低山ハイクも楽しめる大月の「秀麗富嶽十二景」がおすすめ

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相変わらず河口湖駅近くのコンビニ越し富士山が人気だそうで、連日のインバウンド客で混雑となっているそうですね。地元との問題解決の妙手はないようですが、富士山の美しさは河口湖町ではなく、近隣の大月市内の山頂からこそ絶景が待っているという提案が、すでに30年以上前になされています。登山好きの間では有名な話ですが、全部で20の山が認定されています。

大月市内の20の山々から見える富士山こそ絶景

その山々は「秀麗富嶽十二景」と命名されています。なんとも情緒豊かなネーミングですよね。十二景という言葉の並びから1月から12月の月々シリーズ? と思われる向きもあるかもしれませんが、この12という数字は山を指します。12の山、なのですが、よく数えると20座あります。不思議ですね。

秀麗富嶽十二景はそれぞれ1番から12番までの山頂番号になります。その一つの番号に2つの山頂が同列に扱われているのですが、すべての番号に複数の山頂があるわけではないため、倍数の24座には満たない20座がリストアップされているというわけです。

いずれも河口湖駅に通じる富士急行線の発着駅となる大月市にある山々です。以下に1番から12番の山名をリストアップしましょう。

1番山頂●雁ヶ腹摺山/姥子山
2番山頂●小金沢山/牛奥ノ雁ヶ腹摺山
3番山頂●大蔵高丸/ハマイバ
4番山頂●滝子山/笹子雁ヶ腹摺山
5番山頂●奈良倉山
6番山頂●扇山
7番山頂●百蔵山
8番山頂●岩殿山/お伊勢山
9番山頂●倉岳山/高畑山
10番山頂●九鬼山/御前山
11番山頂●高川山
12番山頂●本社ヶ丸/清八山

日銀造幣局も認めた絵になる1番山頂富士山の美しさ

1番山頂の雁ヶ腹摺山は、さすがに1番を拝命するだけの実力と血筋の良さがあります。樹林の先にそびえる富士山は、さながら自然が生み出したフレームが借景となって奥行き感のある景観を作り出しています。また、この山頂から見た富士山が旧500円札の裏側に描かれたことでも知られています。日本の偉人と肩を並べる富士山の立ち姿ということですね。

連なる姥子山は雁ヶ腹摺山のついでに登る山になりますが、壮大な富士山の裾広がりの景観は雁ヶ腹摺山に引けをとるものではありません。望外な壮大さです。

2番山頂のコンビは大菩薩嶺登山口の上日原峠に通じる林道バス停に登山口がある路線つながりになります。小金沢連嶺と呼ばれる山系の北端に並ぶ2座です。小金沢山はもちろん同山系の主峰で、秀麗富嶽十二景の中で唯一の標高2000m超えの山です。さすがの眺望です。

その山名が日本一長い、ということで人気の牛奥ノ雁ヶ腹摺山は、小金沢山の前衛峰になりますが、威風堂々たる富士山ビューに感動しきり。また牛奥ノ雁ヶ腹摺山の山頂直下に広がる同山のアイコンでもある立ち枯れも見応えがあり、人気を集めています。

3番山頂は2番、4番山頂との縦走チャレンジャーを多く生み出していますが、基本湯ノ沢峠を登山口とし、大蔵高丸を経由してハマイバ山頂を踏みます。こちらの2座は、ほぼ同様な富士山の美しい立ち姿を見ることができます。まさに甲乙つけがたしです。ここでは大蔵高丸山頂からの眺望をアップしておきます。

4番山頂の2座はそれぞれ個性的です。滝子山は山頂南に富士山を見ます。国道20号を挟んだ谷あいの先に山頂をのぞかせる富士山を見ることができます。

一方の笹子雁ヶ腹摺山からの富士山ビューは、やや癖のある見え方になります。秀麗富嶽十二景選出には定義があり、大月側から見る富士山の前衛峰となる三ツ峠山が、必ずかかっていることから十二単を富士山がまとっているように見えることで十二景と命名されたわけです。その三ツ峠山の存在が薄いのが笹子雁ヶ腹摺山の特徴です。

5番山頂は同十二景中、もっとも富士山から遠いのですが、展望ポイントからの眺望はさすがの美しさです。