ずいぶん以前のことなのですが、山で靴を「片方」だけ間違われたことがあります。出発前の出入りが激しいタイミングで、玄関にはたくさんの靴がごちゃごちゃになっている状態でした。自分の靴が、あるにはあるのですが、履こうとすると、なぜか片足だけ違和感。なんだか、サイズが違うような……
「片足だけ少し大きいんだけど???」
まわりを見てみると、後輩の女の子が全く同じブランド、同じモデルの靴を履いています。それと同じ靴を履いている人はほかにいなかったので、マサカと思いながらも、「それ、片方、間違ってない?」と聞いたら、「え? なんかきついけど、足が片方だけむくんでるのかなーと思ってました」……んなワケなかろう。つか、ワンサイズ違ってたら、足を入れた瞬間にフツーはわからんか? と、ずっこけそうになりました。
そんなお間抜けなケースはめったにないだろうと思っていたのですが、いろんな人に話を聞いていると、「けっこうあるコト」みたいなんです。私みたいにサイズが違ってるのに間違われたケース、中敷きなどを別のものに替えているのに気づかなかったケース……。
多くの人が泊まる山小屋では、ホントにいろんな人がいるものなんですね。靴にしろ、ウェアにしろ、まったく同じモデルで、同じ色のものって、けっこうあるので取り違えには注意が必要です。

間違え防止策のいろいろ
山小屋によっては、靴の取り違えを防ぐためにいろいろな工夫をしているところがあります。
先日宿泊したくじゅう連山の法華院温泉では、受付時に一人ずつ、靴を入れるトレーが渡されました。玄関で脱いだ靴は放置せずに、自分の部屋の入口まで持って行きます。廊下の端に靴を入れたトレーを置いておくシステム。それなら間違えようもないし、玄関先で大量の靴がごちゃごちゃになる心配もありません。
玄関付近に靴棚がある小屋では、洗濯ばさみやクリップで左右の靴を留めたり、名前が書ける荷札を用意してくれているところもあります。靴の棚にも番号がふってあって、自分の部屋番号と同じ番号のところに置くように決められている小屋もありました。
自分でできる間違え防止対策は?
同じモデルのほかの人の靴と間違えられないように、いろんな工夫をしている方もいます。中敷きの乾燥も兼ねて、底から外して靴の中にさしておけば、同じことをしていない人には間違われません。
また、どの山小屋でも識別用のクリップを貸してもらえるわけではないので、自前で持って行くという方法も手軽です。

また、靴そのものをカスタマイズする方法もあります。たとえばデフォルトでついてる靴ひもを、まったく違う色のものに替えるというのもひとつ。パッと見たらわかるし、シューレースも自分の好みの色にすれば気分もアガります。筆者は、靴ひもを結ぶのが面倒なので、ローカットシューズは全部、サロモンの「クイックレース」というワンタッチで締められるものに替えています。

目立つように赤色をチョイスしたのですが、もはや使いすぎて目立ってないな……(汗) でも、ここまで使い込んだものだと、間違えようもないですよね。また、シューレースにマーカーをつけるという手もあって、一番下の部分に自在金具をセットしている人、小さいチャームを取り付けている人なども。

靴棚の場所が指定されていないところでは、パッと手に取りやすい棚の真ん中あたりではなく、敢えて屈まなければ取れない、一番下の端などに置くようにすると、間違われにくいかもしれません。