ソトラバ

憧れの「岩の殿堂」穂高連峰へ! 激登りの重太郎新道から前穂高・吊尾根・奥穂高を踏破

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上高地から入山し、岳沢で一泊して、今回は二日目です。前夜、澄んだ夜空にきれいなお月さまが浮かんでいたので、きっといいお天気になるだろうなと思っていたのですが、夜明け前の空も上空はクリアな感じ。南側の乗鞍あたりには低い雲がかかって、雲海に浮かぶように見えていました。

夜明け前の空

岳沢小屋の朝ごはんはお弁当形式。早く出発する人は夜のうちに受け取れるようになっています。私たちは、小屋で食べてから出発することにして、食堂でみそ汁とともにいただきました。

朝ごはん

焼き魚に炊き込みごはん。ちょっとした副菜とお漬物。シンプルだけど優しい味付けの和食は、朝早くても食べやすいです。ごちそうさま。ところで、この小屋で一番面白かったのはこの張り紙……。

張り紙

寒くなってきたら暖を取りに入ってくるのかな? むしろ入ってきてほしいような……? ヤマネとかも、よく山小屋の寝具の中で冬眠しているのが見つかるようですが、オコジョさんにも会いたいな。

いよいよ激登りの「重太郎新道」へ!

岳沢小屋があるのは標高約2200m。ここから、前穂高岳手前の2900m地点「紀美子平」まで、標高差700mの急登の道が「重太郎新道」です。

重太郎新道

穂高に生涯をささげ、「穂高の名ガイド」と呼ばれた今田重太郎氏が、大正時代に穂高岳山荘の建設に着手し、その後に拓いた道です。ほぼガケのような、急峻な斜面の弱点を巧みにつないであります。
「紀美子平」は、山頂までもう一息、という場所にあるちょっとした広場ですが、重太郎氏の愛娘の名前に由来しています。その紀美子平までが、とにかくきついパートなんです。息を切らせながら登っていると、空が明るくなってきました。ふと背後を振り返ると……。

焼岳

焼岳の姿がくっきりと。その南東側に広がる乗鞍の山稜は、まだうっすら雲をかぶっています。重太郎新道は落石の危険もあるため、ヘルメットは必須です。両手両足のうち、3点でしっかりと身体を支える「三点支持」で慎重に登ります。

登る人たち

傾斜がとくにきついパートは、登りと下りでルートを分けてありました。「事故多発」の看板に思わず緊張。

看板

背後には次第に大パノラマが広がっていく

後ろを振り返るたびに、目線がどんどん上がっていき、登ってきたルートがはるか眼下になっていきます。ずっと遠くに、昨日出発した上高地が小さく見えていました。

背後の景色

ひたすら登ること3時間20分。いよいよ紀美子平に到着です。ふぅぅ。8時40分、いつもなら朝のコーヒーを飲んでる時間だな。

紀美子平

息を整え、水分やカロリーを補給してから、ココに荷物をデポして、いよいよ前穂高岳の頂上を目指します。標高差は200m足らずですが、なかなか登りごたえのある斜面。でも背中の荷物がないとずいぶん楽。一応リーダーは、非常用のアレコレを入れたアタックザックを背負ってましたけど。

ピークへの登り

憧れの前穂高岳に登頂!

9時半過ぎ、ついに前穂高岳に登頂です。朝山小屋を出発してから4時間。ゆっくりペースとは言え、みんなよくがんばりました。メンバーは「ホントに来れるとは思ってなかった!」と感無量。

山頂

前穂高岳の山頂はかなり広くて、360度の眺望が楽しめます。北側を見ると、穂高連峰の峰々……奥穂高岳、北穂高岳、大キレット、南岳、そして天を衝くように屹立する槍ヶ岳の雄姿。やっぱ、とんがりピークはカッコいいな。

北側の眺望

南側に目をやると中央アルプスや南アルプス、八ヶ岳から秩父の山々までが見渡せ、ずっと奥の方には、小さいけれど、特徴的な台形のシルエットが。

南側の眺望

遠くの方にちらっとてっぺんだけが見えてる感じですが、やっぱり富士山が見えるとなんだかうれしい。高い山々の間には雲海が広がっていて、ココはよく晴れているけれど、山梨県あたりは曇りなのかも。