昨今、日本の各地で増加が懸念される特定外来生物のクリハラリスは、観光目的の放し飼いやペットの逃亡などによって日本に定着し、生息域を拡大したと言われています。しばしばタイワンリスという名前で呼ばれますが、タイワンリスはクリハラリスの一種です。
インド東部から台湾まで、アジアの広い地域に生息しているため少し寒いのが苦手ですが、適応力が高く人慣れもしやすいために関東地方の市街地でも暮らしています。
今回は、そんなクリハラリスの生態と在来動植物への影響を、リスなどの生態にお詳しく、クリハラリス研究の第一人者である田村典子先生(森林総合研究所 多摩森林科学園 研究専門員)に伺いました。
在来リス「ニホンリス」との違い
田村先生によると「クリハラリスの体重は300~400gほどで、ニホンリスの約250gと比べて一回り大きい。」そうです。

また、名前が示す通り、クリハラリスは腹が栗色(あるいは灰色)なのが特徴で、背中もお腹も一年中同じ色です。

一方、在来種のニホンリスは腹が白く、夏には腕や腹の横あたりにオレンジ色の毛が出ます。

下の写真のようにニホンリスは冬毛になるとオレンジ色は消え、代わりに耳の先端の毛が長くなります。

食べている餌の違いは?
この2種類のリスはどのようなものを食べているのでしょうか。田村先生に伺ってみます。クリハラリスは「果実、ドングリ、木の芽、昆虫、樹液を食べる雑食性です。ニホンリスが苦手とするタンニン量の多い渋いドングリも平気で食べられます」と何でも食べる様子です。
対してニホンリスは「グルメで、脂質が多く脂っぽいオニグルミや松の実を主に食べているといった違いがあります」と田村先生。


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