ウルトラマン電車こと神戸電鉄三田線の「五社」駅は、周囲は閑静な住宅街で、駅前にはお店もなにもないので、地元に住んでいる人しか乗降しない感じの、いつも静かな無人駅です。ですが、じつはその住宅街のすぐ裏手に、低山ながら絶景の山がたたずんでいるのです。
東西約3km、南北約1kmのこじんまりとした山ですが、いくつかのピークが連なるプチ山塊です。北は有野台という開けた住宅街、西と南は神戸電鉄三田線と有馬線の線路が囲むように伸びていて、東端は有馬の温泉街に接するという立地にあります。四方からたくさんの登山道があり、プチっと歩きたいときには最適ではないでしょうか。
通行禁止じゃないけど通るのに緊張する登山口
この日歩いたのは、駅から少し歩いた住宅街からいきなり登山道に入るルート。足を踏み入れるのに少々ためらいを感じてしまう、民家のすぐ脇を通る小道です。べつに通行禁止とかではないのですが、どうみても私道っぽくて、小声で「すみませーん、通らせてもらいまーす」などと呟きながら入っていきます。
もしお住いの方が玄関先にでもいらっしゃれば、ごあいさつすればべつに気まずいこともないと思うのですが……。取付きからいきなり、かなりの急登となりますが、ひとしきりがんばるとぱーっと眺望が開ける場所へ。

高丸山の山体を貫通している阪神高速北神戸線の高架が目の前に見えています。左側が、この先でトンネルになっていて、これから歩く尾根の下を通っています。
古くから登られた道
この道は、おそらく古い時代から登られていた道のようで、最初の小高いピークに小さな祠があります。左右には石燈籠のようなものもあり、かなり古びた風情。石で作られた祠の中に祀られているのは、お姿からして、修験道の創始者、役行者さまでしょうか。

錫杖を手に、少しいかめしい表情でお座りになっておられます。きっと、昔からここは修験道の山だったんでしょうね。

祠がある小ピークの先にもまだ何かあります。小さな石仏ですが表情やポーズ、衣の感じから、お不動さんではないでしょうか。

石仏のピークを越えて、花崗岩の露岩が続く明るい尾根を辿っていきます。行く手にはこれから登頂する高丸山のすっきりとした姿が見えています。地図で確認すると、直線距離で750mほどのはずなのに、すごく遠くに見えます。

2つ目の名もなきピークまでくると、北側の眺望が開けました。神戸市北区有野台付近から藤原台方面の街並みが見えています。


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