東西に長い六甲山地には、無数のピークが連なっているのですが、とくに目立つ山のひとつが高取山。神戸の中心地、元町・三ノ宮あたりから西側に見える、ピラミダルな山容でとても目立ちます。
「神奈備」型といって、古来より神が降臨する聖なる山として敬われてきた歴史があります。
神戸市の西部、須磨区と長田区にまたがり、六甲全山縦走路をはじめ、いくつもの登山道がありますが、この日はJR線の最寄り駅・新長田にある「鉄人28号」の巨大なモニュメント下から登ることにしました。鉄人の足元から山側を見ると、高取山はちょうど正面です。

高取山西面のマイナールートへ
今回は、ちょっとしたバリエーションルートから登ろうというプランです。高取山の西面には何本か岩尾根が伸びていて、そのうちの1本を登ります。しばらく住宅街の中を歩いて、西側の山麓へ。お寺の境内から山道へ入ります。

六甲山地は、その大半が花崗岩でできており、風化して独特の風合いを持つ岩場が多いのが大きな特徴となっています。このルートもそんな岩尾根のひとつで、荒々しい風貌が岩好きハイカーの心を惹きつけます。

ちょっと登ると、いきなり眺望が開けるのもこのコースの魅力。この尾根は、西面のバリエーションルートの中では、さほど傾斜が強くないので、景色を楽しみながら登れます。
この日は、山上で夜景を楽しむために、敢えて陽が傾き始める時間に登り始めました。時期は秋だったとはいえ、西日が背中に照りつけて暑い。

岩尾根を登りきると、高取山登山道のメインストリートとも言える六甲全山縦走路に合流します。さらにしばらく登ると、ふたつある山頂のひとつ、荒熊神社の境内に着きます。

じつは、高取山には、たくさんの猫が住んでいます。地域猫として地元民に愛されているようで、警戒心があまりないのか、あちらこちらでよく〝落ちている〟のを見かけます。

荒熊神社は、本殿前へ続く参道に丹塗りの鳥居がずらりと並び、ちょっと京都の伏見大社を思わせるような雰囲気があります。南側には海が見えて、解放感あふれる気持ちのいい場所。

荒熊神社を通過して、しばらく進むと、神戸市須磨区と兵庫区の区境を越えて、高取神社の境内へと入っていきます。高取山の山頂は、高取神社の裏手にあたり、標高は328m。山頂にはたくさんの祠が祀られ、三角点もあります。
そして、山頂の南側直下が絶景スポット。朱色の鳥居ごしに、大阪湾が一望できて明石海峡とその向こうの淡路島もよく見えます。


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