油圧機器のトップメーカーであるカヤバ(KYB)が、新たなライフスタイルを提案します。最新のキャンピングカー「フィッシングキャンパー」は、スノーピークとのコラボレーションによる上質な居心地と、同社が誇る走行性能を両立。単なる移動手段を超え、釣行後のケアまでを計算し尽くした「釣り特化型モデル」の全貌をレポートします。
スノーピークと作った「釣り人の動くベースキャンプ」
カヤバ(KYB)は近年、キャンピングカーの提案に力を入れています。ちょうど1年前の「東京オートサロン2025」で発表・受注を開始した「VILLATOR(ヴィラトール)」を皮切りに、そのプロジェクトは着実に進化を遂げてきました。
今回は2026年1月16日(金)~18日(日)にパシフィコ横浜で開催された「釣りフェスティバル 2026」にブースを出展。会場にお目見えしたキャンピングカー「Fishing Camper(フィッシングキャンパー)」は、「釣り人のための動くベースキャンプ」をコンセプトに掲げています。

本車両は人気アウトドアブランド「Snow Peak(スノーピーク)」とのコラボレーションにより誕生しました。出展ブースも同ブランドの隣に位置し、車内はもちろん車両周辺にもスノーピーク製品を配置。アウトドアでの具体的な使用シーンを想起させる演出がなされています。

コラボレーションの真髄は、その内装にも宿っています。車室内は木材を活かしたシンプルかつ清潔感のある仕上がり。これは、スノーピークが建築家の隈研吾氏と共同開発したモバイルハウス「住箱(JYUBAKO)」の意匠を取り入れたものだといいます。こだわりが細部にまで反映された空間は、まさに「住箱」を彷彿とさせる上質な雰囲気を醸し出しています。
カヤバ流の足まわり/専用ショックで操縦安定性と乗り心地を両立
ベース車両は「ヴィラトール」と同じフィアット・デュカト(L3H2)を採用。車両サイズは全長5995mm×全幅2050mm×全高2720mm。2.2Lディーゼルエンジンに9速ATを組み合わせたFF(前輪駆動)モデルです。マットブラックの外観が精悍なイメージを与えます。
別荘を持ち運ぶがコンセプトの「ヴィラトール」では、キャンピングカービルダーのRVランドがプロジェクトに協力していましたが、今回の「フィッシングキャンパー」はカヤバの熊谷工場による自社製造。コンクリートミキサー車などの架装車両を手がける同工場のノウハウが、この一台に凝縮されています。

足まわりには専用開発のショックアブソーバーを採用。フロントは減衰力固定式、リアには14段調整式を装備し、高い操縦安定性とコーナリング性能を確保しながら、フラットで快適な乗り心地を両立させています。
また運転席と助手席には国内シートメーカーのブリッド(BRIDE)とカヤバが共同開発した専用バケットシートを採用。乗車定員は4名で標準の就寝定員は3名ですが、コット等を持ち込めば4名での就寝も可能です。停車時の車体を安定させるアウトリガーを装備している点も、専門メーカーらしいこだわりと言えるでしょう。
釣り旅の「後工程」を支える架装/バックドアから休憩・収納をシームレスに
居住スペースには角型シンク、電子レンジ、冷蔵庫を完備。天井部にはロッドホルダーを備えるいっぽう、車両後方はトイレ等の装備をあえて省き、外部から直接アクセスできる広大な収納スペースとしています。さらにFFヒーターを活用したドライルームや床下収納式のロッドホルダーも用意。
釣行後にバックドアを開けてベンチに腰掛け、その余韻に浸りながらギアをメンテナンスし、スムーズに収納していく。そんな一連の流れを快適にこなせる空間設計が魅力です。

車内のクッション類にはすべてエムリット(M-Lit)の「クリングエア」を採用。これは通気性に優れたバケットシート用の交換用クッションをベースに、車両の世界観に合わせた生地をチョイスしたもの。すべてのクッションがベルクロテープで固定されているため、臭いや汚れが気になった際は簡単に取り外して丸洗いできる点も、釣り人には嬉しい配慮です。

ルーフにはエアコンに加え、衛星通信「スターリンク」のアンテナも装備。270度展開するオーニングを広げれば、車両周囲までを快適なリビングとして活用できます。「車内で完備」というよりは天候に左右されずに外遊びを最大化させる、実践的な仕様という印象を受けました。
カヤバの油圧技術と架装技術を結集し「釣り旅を自由気ままに」という想いを形にした新たなキャンピングカー。どこまでも快適で安全な移動空間を目指したこの一台からは、カヤバの本気度が鮮明に伝わってきました。
【KYB公式サイト・製品情報ページ】
https://www.kyb.co.jp/products/campingcar.html

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