私たちにできること
最後に、私たちにできることは何か伺ってみると、「ぜひ、防災の観点や、自然を守るための捕獲に理解を示してほしい。そして、ぜひシカを食べてみてほしい」と仰っていました。
フランスではシカ肉は自然の恵み(ジビエ)として高く評価されています。日本でもネットショップで手軽に購入でき、レシピサイトにも多くの調理法が紹介されています。需要が増えれば流通が安定し、いずれは鶏肉や豚肉に近い感覚で利用できるようになるかもしれません。

筆者的には、乱獲や娯楽の狩猟には賛成できないものの、古くから日本人が親しんできたシカ肉を「知ること」「食べること」が、命を無駄にせず、環境保全や防災に貢献する一歩となるのではないかと感じました。さらには「関心が高い地域は、野生動物との距離をうまく保っている」と言います。里山保全や調査に参加することも、野生動物との共存に向けた大切なアクションのひとつです。
【取材協力】
国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 多摩森林科学園
主任研究員 岡 輝樹(おか てるき)さん
【プロフィール】
2001年より国立研究開発法人 森林総合研究所 東北支所主任研究官。この年のツキノワグマ大量出没を機に野生動物管理学に携わる。その後、野生動物管理担当チーム長、鳥獣生態研究室長、野生動物研究領域長、四国支所長を経て現職。動物生態学的視点からだけでなく、社会心理学、行政学的観点から野生動物による被害管理の進展とその社会実装に挑戦している。
■国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所 多摩森林科学園
https://www.ffpri.go.jp/tmk
■『野生動物の保全と管理の事典』(2025年10月刊/朝倉書店)
https://www.asakura.co.jp/detail.php?book_code=18069

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