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山中でもしもクマに出遭ってしまったら? そのときの心構えだけはしっかりと対策すべし

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  • クマ
  • 遠くの親子グマ
  • クマ注意
  • 山菜採り中の人
  • 木の爪痕
  • 『クマ逃げ』書影

2025(令和7)年9月22日、長野県の山林で60歳代の男性が木の伐採中に、また同日には群馬県の山中で、栗拾いをしていた70代男性がクマに襲われています。

連日のように被害が報告されているクマの出没事件。アウトドアにおいては、いつどこでクマに遭遇するかわからない状況といえるでしょう。

『ドキュメント クマから逃げのびた人々』(三才ブックス)を参考に、もし「クマに出遭ってしまった」場合を想定し、被害を最小限に食い止めるために何ができるのかを考えていきましょう。

遠くに見えた場合とバッタリ遭遇してしまった場合

クマの研究者は口をそろえて、ツキノワグマ、ヒグマともに「分布域を広げている」と言います。アウトドアにおいて、クマに出遭う確率がひと昔前より各段に上がっていることを考えると、出かける側は「出遭ってしまったとき」のシミュレーションをしておく必要はあるでしょう。

山中で、少し遠くにクマの存在が確認できた場合。クマが人に気づいていなければ、知らないふりをして立ち去る。人に気づいて様子を伺っているようなら慌てず騒がず、クマを刺激しないようにゆっくりとその場を立ち去るのが得策です。

遠くの親子グマ

もし「バッタリ遭遇」をしてしまった場合、クマはそのまま逃げるか、または恐怖を排除しようとして襲ってくるか、子連れグマなら子どもを守ろうと人を排除しようとするなど、そのときの状況やクマの判断によって被害の大小が変わってきます。

子連れグマの場合は、やはり母グマが襲ってくるパターンが多いといわれています。子連れグマに出遭ったら、なるべくじっとして刺激しないことが大切です。

冬眠穴も同様です。出産・子育てをしている穴に近づいただけで、クマは不安になり襲ってきた事例もあります。クマ穴に不用意に近づくことがないように注意しましょう。

クマ注意

何かの手段で自分を大きく見せることは有効

知っておくべきは、クマにとっては人の目の位置がポイントとなることです。人は目の位置が高いので、クマからすると、その背後の構造がどうなっているのか想像できず、大きな動物と感じるようです。

腰の曲がった年配者や、身長が低い女性などはクマが「倒せる!」と判断することが多いという説もあります。

山菜採り中の人

上着などの端を両手でつかみ、両腕を高く上げて全体を大きく見せる、両手を上にあげて左右にゆっくり振るとよい、という研究者もいて、大声を出したらクマが逃げて行ったという例もあります。咄嗟に何ができるかは「運」と「度胸」によるところも大きいことは事実。

クマは、臭覚は優れていますが、視力はあまりよくないといわれていることも覚えておきましょう。