[春に採れる野草vol.2]ヨモギは野草界のユーティリティープレイヤー! ハーブ王子が解説する【食べられる野草図鑑】

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  • ヨモギを摘むハーブ王子
  • ヨモギの葉
  • 自生するヨモギ
  • ヨモギのジェノベーゼ

   

古くから食材や薬として親しまれてきた野草。野原や道路脇といった身近なところに目を向けると、そこには豊かな“大地の恵み”が。楽しく摘んで、おいしくいただくにはどうすればいいか、「ハーブ王子」こと野草研究家の山下智道さんに教えていただきます。春に食べたい野草、第2回目はヨモギです。

  

おいしくて薬にもなる多才な野草【ヨモギ】

   

「本当にバランスの良い、万能な野草」と山下さんが絶賛するヨモギ。料理にはもちろん、湿布や切り傷などの外用剤としても使われてきた馴染み深い存在ですが、それは日本だけでなく、世界でも同様に多用されてきたそうです。

「ヨモギは北半球に広く分布していて、世界中で約500種あると言われています。昔から薬草として活用されてきて、古代ギリシャでは毒消しに使われていたとか。最近だと韓国のヨモギ蒸しなんかがよく知られていますね」(山下さん)

  

   

そのうち、日本で見られるのは50種ほど。食べてもよし、肌に塗ってもよしと、なんにでも使える頼もしいヨモギには、山下さんもおおいに魅せられていて、現在はヨモギの図鑑を刊行する準備の真っ只中だといいます。

   

春はヨモギのおいしさを実感できる絶好の季節

   

ヨモギの旬は4月から6月にかけて。葉が青々としているこの時期に新芽を摘んで食べるのが、ヨモギらしい得も言われぬ爽やかな香りと風味を堪能できておすすめだと、山下さんは話します。この時期が、草餅を作って味わう絶好のタイミングといえるかもしれません。

ところで、冬場に道端で生えているのを見かけることがありますが、収穫しても大丈夫なのでしょうか。

  

   

「白毛が多い、芽生えのときですね。収穫して食べる方もいらっしゃいますが、少し青臭さを感じるため積極的におすすめはしません。昔、餅米がなかった江戸時代に草餅を作る際は、うるち米のつなぎとして毛の多いヨモギを使っていたので、冬のほうがおいしいというイメージを持たれたのかもしれません」(山下さん)

ヨモギ本来の味を求めるなら、春から初夏にかけてがよさそうです。

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