神秘と絶景の熊野古道を歩く vol.01 太平洋を見下ろす爽快トレイル「熊野古道大辺路」【近畿エリア】

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  • 那智勝浦町の太平洋
  • 熊野古道の沿道に点在する石仏や祠
  • 熊野参詣道大辺路の富田坂の北麓にある草堂寺
  • 野古道大辺路の山道
  • 熊野古道から眺める太平洋
  • 紀州寿司はま乃の熊野弁当

 

複数ある聖地・熊野三山への参詣道

平安の昔から、「蟻の熊野詣」といわれるほど、多くの人が歩いた参詣の道・熊野古道。都の上皇や貴族たちから、時代が下がって一般庶民まで、多くの人々が憧れた聖地が、熊野本宮大社・熊野那智大社・熊野速玉大社の「熊野三山」です。

各地から熊野へ続くルートはいくつもあります。

最も有名な「中辺路」のほかに、高野山から険しい山中を通って本宮大社へ向かう「小辺路」、紀伊半島の海沿いを通って那智山・新宮へ行く「大辺路」、京の都から船で淀川を下った天満橋から口熊野(現在の和歌山県田辺市)を結ぶ「紀伊路」、伊勢神宮から熊野を目指す「伊勢路」。さらに、修験道の行者などが吉野から大峰山を越えて本宮まで歩いた修行の道「大峰奥駆道」があります。

 

黒潮が洗うダイナミックな海沿いの道「大辺路」

「大辺路」は、口熊野からダイレクトに本宮を目指す中辺路とは異なり、日本最大の半島である紀伊半島をぐるりとまわる長大なコース。風流を愛する文人墨客らが好んだルートと言われ、雄大な太平洋の絶景を眺めながら歩けるのが魅力です。

古道としては部分的にしか残されておらず、スルーハイクをするのはやや厳しいものがありますが、古道の趣が残された部分はとても眺めがよく、美しいトレイル。足の便が悪いこともあって、歩く人も少なく、秘境感を味わえます。

 

 

熊野古道全般にいえることですが、歩いていると、道沿いに点在する石仏や祠など、人影は少なくても、どこかほっとするような、心落ち着く風景と出会えます。よく整備され、軽装の観光客の姿が多い中辺路と異なり、大辺路は道標もまばら。だからこそ、地図を見ながら歩く楽しさも味わえます。

 

 

田辺から海沿いに那智を目指す大辺路の、最初の難所とされているのが「富田坂」。紀伊富田駅から、富田川を渡った東側にある草堂寺の脇から山道へ入ります。一里松跡、馬谷城跡を経て、しばらくは林道のゆるやかな上り坂が続きます。

 

 

林道終点からはつづら折りの急坂となりますが、木漏れ日が心地よい明るい森の中なので、気持ちよく歩くことができます。坂を登りきると、遠くにちらっと海が見えるスポットがあり、その美しい眺めに疲れも吹き飛びます。

 

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