三陸の風を感じる日本最長のロングトレイル「みちのく潮風トレイルを歩く」vol.01【八戸~宮古編】

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「みちのく潮風トレイル」とは、青森県八戸市から福島県相馬市までの東北太平洋沿岸をつなぐ1本の「歩くための道」のこと。青森、岩手、宮城、福島の4県29市町村の既存の道を繋いだルートで設定されており、総延長1000kmを超える日本最長のトレイルです。

環境省が東日本大震災の復興に貢献するため進めてきた「グリーン復興プロジェクト」のひとつで、日本一美しい断崖やリアス海岸ならではのダイナミックな風景、山や里の美しい景観や名所、東日本大震災からの復興の様子を歩くことで体感できます。

すべてのトレイルをひとつの季節で通して歩くスルーハイク、区切りながらトレイルを歩くセクションハイクなど、楽しみ方は自由自在。

太平洋岸に面しているので、比較的積雪が少なく、年にもよりますが山間部の一部を除いては冬でも歩くことが可能です。長い道のりをご紹介するシリーズの1回目は、トレイルの最北端である八戸市から宮古市までの区間です。

雄大な太平洋に沿って旅をする長い道

今回の旅の起点は、JR八戸線の鮫駅から徒歩15分の場所にある蕪島。種差海岸の最北に位置し、ウミネコの繁殖地として国の天然記念物にも指定されています。

真っ赤な鳥居の蕪島神社下には、トレイルの北の玄関口であることをあらわす「Trail Head & End Point」と記された看板が。ここからスタートして種差海岸を進みます。

八戸市の種差海岸は三陸復興国立公園に含まれ、岩礁、砂浜、天然の芝生地など多彩な景観を楽しむことができます。

5月下旬~10月頃までは種差天然芝生地の緑が、6月中旬~7月中旬ごろまでは葦毛崎展望台・中須賀あたりで花が美しい時期です。このエリアは海のそばながら、600~650種類もの海浜植物と高山植物の両方が咲き乱れます。

道は海岸線に沿って続く、なだらかな気持ちのよい遊歩道です。

本格的なトレイルの始まり

八戸市の南側、階上町は約33kmがルートになっており、階上岳(標高約730m)と階上海岸をつなぎます。

三陸復興国立公園の一角をなす階上海岸では種差海岸と同様に、太平洋を満喫しながら芝生地帯、岩礁地帯と変化に富んだ景色を眺めながら歩くことができます。

階上岳の8合目にある大開平では5月下旬~6月上旬、ツツジの群生が満開になり登山者が多くなります。

ここまでトレイルはJR八戸線沿いにあり、鉄道を利用することもできます。階上町の南側、洋野町の陸中中野駅から久慈駅までは、鉄道がトレイルから離れます。ここからは川の渡渉や、アップダウンの連続など、本格的な歩き旅が始まります。

久慈市では侍浜や小袖など海岸線沿いがトレイルルートとして設定されています。「陸中海岸北限の道」として整備されている侍浜の遊歩道、高さ約30m程の絶壁の上から、切り立った断崖や岩礁地帯を眺望できる絶景ポイント・横沼展望所ほか、NHK朝の連ドラで脚光を浴びたエリアを通る「あまちゃん街道」は野田村に続き、途中「小袖海女センター」「じぇじぇじぇ発祥の地石碑」などドラマゆかりの地に立ち寄ることもできます。

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