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「衝撃のアウトドア本」発掘レビュー! STRANGE OUTDOORE BOOK vol.06『地球は食べ物 いきもの獲って食べてみた日記』

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  • ホモサピさんの本「地球は食べ物 いきもの獲って食べてみた日記」
  • 地球は食べ物 いきもの獲って食べてみた日記
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生き物を獲って飼うことのリアル

「次回はホモサピさんの『地球は食べ物』という本なんてどうですかね?」と、編集担当のM氏から提案された。おお、ホモサピ氏の動画はぼくもたまに見ているので大歓迎。二つ返事で引き受けたのだ。

前回は野食ハンターの茸本朗氏で、今回のホモサピ氏もジャンル的には野食ハンターといえる。これは、M氏がこの連載を「オマエも野山で虫を取って食え!」という流れに持って行こうとしているような気がするのだが……こちらはあくまでもブックレビューだ。ソトラバの体当たり連載は「おそとで生きるもん!」の女性に任せておきたい。

というわけで今回は、有名YouTuberでもあるホモサピ氏の『地球は食べ物 いきもの獲って食べてみた日記』をご紹介したい。YouTubeチャンネルでマテ貝を獲って食べたり、お台場でサメを釣ってフカヒレ作ってるのを見たりはしていたのだけど、改めて活字で読むとその行動力に驚かされる。

本書は大きく3章に分かれていて、第1章「いきもの捕獲記」では、様々な虫や植物(彼にとってはすべてが食材)の採取と飼育の記録が描かれる。

ペットフードで育てられる犬や猫と違って、特殊な生き物を飼うということは、それ用の生き餌も飼うということ。知識としては知っていたけど、ダイオウサソリ(ペット)のためにコオロギ(エサ)を飼い、爬虫類(ペット)のためにミルワームやマウス(エサ)を飼っていたというリアリティに、ハッとさせられる。

〈動物園の匂いを再現したければ、虫と小動物を同じ部屋で飼えばいい〉なんて、実際に体験した者でなければ絶対に出てこないフレーズである。〈動物園アロマを作りたい人は試してみてほしい〉って、そんな人がいるとは思えないけれど。

図鑑を超えた予測不能な動きにグッとくる

第2章「ホモサピ人生記」では、生き物との出会いについて様々な角度から語られる。誰だって子供の頃は野山で虫捕りをした経験があるだろうし、小学校時代は何らかの生き物の世話をさせられたはずだ。ぼくも金魚を飼ったり、青いヒヨコを夜店で買ったり(昭和ー!)したもんだが、それっきり。それ以上、生物への愛情が深まることはなかった。

でも、ホモサピ氏の深まり方は尋常じゃない。どうしてそんなに生き物が好きなんだろうか? ホモサピ氏は〈生き物は、どんなにその生態を調べて向き合っても、予測不能な動きをする。その瞬間が一番好きだ。まったく自分の思い通りにならず、図鑑で覚えた知識を超えていく様が脳にグッとくる〉と言う。

「予測不能な動き」って、動物や虫を苦手とする人の最大の理由だと思うんだが、それこそが好きな理由なのだと言われたら、そりゃもう勝てるわけがない。

ホモサピ氏が初めて生き物係になったのは、小学3年生の時だという。いかにも小学生らしくメダカ、カタツムリ、ヤゴなどを飼育していくことになるのだが、生き物係としてもっとも記憶に残っているのは何かというと、「微生物」なんだそうだ。び、微生物?

あるとき、そこらへんの土を容器に入れて、上から水をヒタヒタになるくらいまで注いで日当たりのいい場所に置いてみた。すると微生物がわんさかと湧いてきて、ホモサピ少年は非常に感動したという。もう、虫の動きが予想外でおもしろいとか、そういうレベルの話じゃない。純粋に「生命」に感動しているのだ。

だが、その感動は他の人には伝わらず、容器の中に溜まった泥水(としか他人には見えない微生物)は、翌日あっさりと捨てられていたのだった。