ソトラバこども相談室【地形編 vol.03】山って何でできているの? 〝森=山にある〟は間違い!?

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山に森があるんじゃない。森はどこにでもある!

ところで、どうして〝森〟は山にあるんでしょうか。

「森は山だけにあるわけではありません。ヨーロッパやロシアなどの大陸に行くと、広い台地や平地に、広大な森が広がっています。グリム童話の『ヘンゼルとグレーテル』に登場する森も、山にある森ではなく、平地に広がっている森です。ヘンゼルとグレーテルは、森に行きますが、登山をしている様子はありません」

日本には、山にしか森がないように感じていましたが、平地にあるのは〝林〟ではないのでしょうか。

「林と森を分ける正確な定義(それが何かを決める条件)はないと思いますが、平地にあるものでも森と呼んでいるケースが日本にもあります。『鎮守(ちんじゅ)の森』などがその例です。日本は山が多く、人が住める平らな土地は木が切られがちで、町や田んぼや畑になっているため、山だけに森があるように感じるのではないでしょうか」

ほかにも、平地にある森ってありますか?

「東京も、江戸時代や明治時代など、まだ町が開けていない時代は、『武蔵野(むさしの)』と呼ばれた広い台地に雑木林と呼ばれる森が広がっていたんです。『となりのトトロ』などの映画をみると、まだ平らな土地に残っていた森が登場します」

今は、あまり多く残っていないんですね。

「かつては、地域の人たちが共同で利用することができる森や雑木林を『入会(いりあい)』といい、森でとれる木の実やきのこなどの食べ物や、燃料に使う焚き木などをとって利用していました。村の近くに森が残っていたのはそういうわけです。

『となりのトトロ』に出てくる森も、そんな森の仲間でしょう。今はスーパーなどで食材が簡単に手に入りますし、燃料に薪を使う家庭は多くありませんよね。森の必要性が減ってしまったわけです」

山の中身から、森についてまで。歴史的な出来事もふまえて教えて頂きました。

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