アウトドアメーカー列伝【vol.03】機能性やデザインにこだわり、必要な人に届くアイテムでありたい。登山家・竹内洋岳氏のアウトドアブランド「Peakfourteen®」

〜ソトラバならもっと外遊びに出かけたくなる! 情報満載のウェブメディアが新オープン!! 〜

  • バタフライミラー
  • 山登り猫
  • 14selectロゴ
  • 戸田知礼さん
  • エベレスト写真

日本人初の世界8000m峰14座完全登頂を達成したプロ登山家・竹内洋岳氏がプロデュースするアウトドアブランド『Peakfourteen®』(ピークフォーティーン)を扱う公式オンラインショップ『14select』では、こだわりを感じるアイテムを多数取り揃えています。

今回は、ブランドを展開している株式会社ハニーコミュニケーションズ代表取締役社長の戸田知礼さんに会社の立ち上げや、竹内さんのアイテムを扱うようになった経緯、扱っているアウトドアアイテムについてお話を伺いました。

『14select』を立ち上げたきっかけとは

お父様の影響で小さなころから山登りをし、昔からアウトドアを楽しんでいたという戸田さん。奥多摩や高尾山、槍ヶ岳などにもよく登っていたそう。

「登山家・竹内洋岳のことは以前から知っていて、いわゆるイチファンでした。初めて会ったのは今から7~8年ぐらい前に立正大学で行われた竹内の講演会で、その際に共通の知人から紹介していただきました。当時私は別の会社を経営していたのですが、このような出会いもあり、多くの人や企業の価値を高め活躍の場を広げていけるようなサポートができる事業を行いたいという思いが強くなり、2018年に新たに株式会社ハニーコミュニケーションズを創業しました。竹内のブランド『Peakfourteen®』を扱う『14select』の運営や、竹内のマネジメントもこの会社で行っています」と戸田さんは言います。

『Peakfourteen®』に込められた意味とは

「標高が8000mを超える山は、世界最高峰となる標高8848mのエヴェレストをはじめ、全部で14の山がありますよね。これらをまとめて『8000m峰14座』と総称されています。この全14座の登頂に日本人として初めて成功したのが竹内なんです。

8000m峰14座初登頂の歴史も深く、8000m峰が未踏峰で登頂ルートすらわからなかった時代から続く先人たちの挑戦や、通信機器や衣類などを含めた道具の進化、国同士の初登頂争いなど、様々な時代背景があり、多くの方の創意工夫により成し遂げられてきた歴史があります。

そういった先人達への敬意や竹内自身が成し遂げてきた14座登頂への想いを反映していけるブランドを目指してブランド名を『Peakfourteen®』と名付けました。Peakfourteen®のロゴは8000mの山を正三角形で表現し、14座なので正三角形を組み合わせて数字の14になるようデザインしています。また、竹内の名前である『ひろたか』の『H』に見えるようにもなっています」。

ブランドを通して竹内さんを知ってもらいたい

1995年(平成7年)に、竹内さんが初めて8000m峰を達成した標高8463m・世界第5位のマカルーに登頂した当時は、インターネットも衛星写真も普及しておらず、未踏のチベット側から未踏の東稜の初登攀を狙うルートであったことから、ベースキャンプへアプローチする道も手探りで、登頂ルートも不明という時代でした。ルートがない中で、登山隊を編成して、ベースキャンプへのアプローチ方法や、どのルートなら雪崩を避けられるかなどを探り、まさに探検をしながら進んだと言います。

「今はベースキャンプまでヘリコプターで向かうことができますし、インターネットや衛星写真も普及して多くの登頂者の記録もあるので登頂のルートも以前に比べると容易に調べられる時代になっています。昔のように手探りで登っていた時代から、今現在の新しい登山まで、竹内は登山の進化の過程を一通り見てきている人でもあるのです。

また、8000m峰の山々は、酸素と気圧が平地の3分の1しかありません。標高が上がるに従って酸素が薄く、呼吸が困難になるため酸素ボンベを使用して登るのがスタンダード。しかし、竹内は14座中11座で無酸素登頂を果たしています。そういうチャレンジをしている登山家がいるということを、アイテムを通してもっと知ってもらいたいというのが、Peakfourteen®を作った理由でもあります」と戸田さんは言います。

例えば3776mの富士山でも山頂では平地に比べて酸素量は3分の2となるため、酸素が薄くなり人によっては頭痛やめまいなどの症状が現れます。8000m峰を無酸素で登るというのは誰でもできることではありません。


TOP