スターウォーズの世界観を体感! バッドランドへ突入
下りきった地点から、沢沿いに上流へ向かいます。この付近は、有馬高槻構造線という活断層が通っているところ。六甲山の母岩である花崗岩が風化して、大小の岩塔が林立する独特の奇観で知られるエリアです。草木の生えないこのような殺伐とした風景を、地質学では「バッドランド」と呼ぶそうです。
古来多くの文人墨客が訪れた景勝地でもあるのですが、日本映画界でも屈指の名作のひとつ、黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』のロケ地となったことでも知られています。
さらに、黒澤映画の熱狂的ファンであったジョージ・ルーカス監督が、この作品を観てインスパイアされて作り上げられたのが『スターウォーズ』だと言われています。つまり、この景色が『スターウォーズ』の世界観の元になったものということなんですね。
脆く崩れやすい風化花崗岩は、災害を起こしやすい地質でもあります。このエリアは、「兵庫県砂防発祥の地」とされています。

明治30年頃からほかのエリアにさきがけて砂防工事が行われました。たかしさん、たつきくんも砂防についてのお勉強をしてから、いよいよ座頭谷へと入っていきます。
現代のようなコンクリート製のダムではなく、職人が手積みで作り上げた「鎧積」という歴史的工法の砂防堰堤が今でも見られます。たしかに、鎧のように見えなくもない風情。

巨大な砂防堰堤を越えると、一面に土砂が堆積した広場へ。両脇は激しく浸食されて岩塔状になった部分が連なって、火星にでも降り立ったかのような景観。落石の危険があるので、あまり壁際には近寄らない方がよさそう。

昔、目が見えないため、有馬へ向かう道と間違えてこの谷に入り込んでしまった座頭さんが遭難してしまったという伝説がある谷ですが、見えていても迷ってしまいそうな独特の景色です。異世界感をたっぷりと味わいながら歩きました。
帰り際に、たつきくんがお土産をくれました。とてもお気に入りのすっぱいグミなんですって! ありがとう!

蓬莱峡へは、今はバスの本数が減ってしまっていて、冬季や平日にはアプローチしにくくなっていますが、船坂を起終点にすると、「さくらやまなみバス」「阪急バス」が利用できます。行かれる場合は、事前に行き帰りのアクセスをしっかり確認してくださいね!
【データ】
たかしさん(父)
https://www.instagram.com/chokonbu327/?hl=ja
たつきくん(息子)
https://www.instagram.com/tatsuki522/?hl=ja