ナメた足元は「ザレザレ地獄」確実! 「異世界感」強め「宝永山攻め」で富士を眺める

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今シーズンも話題に事欠かなかった富士山。良くも悪くも日本一の標高3776mは登山に興味を持つ者たちの憧れであることは間違いないでしょう。その富士山も9月10日をもって閉山。登山道は閉じられました。

いっぽうでそれまでかかっていたマイカー規制は解除され、富士山の別の顔を楽しむことができます。富士宮ルートでは五合目から六合目までが通行可能(11月中旬まで)です。秋、束の間の宝永山日帰りハイクはいかがでしょうか。

マイカー日帰り登山で山頂じゃない火口を見に行く

富士山登頂でもっともハイカーが多く訪れる登山ルートは吉田口ですが、もっとも距離の短いルートとして知られているのが静岡側の富士宮ルートです。

最短ということはそれなりに勾配は急ということになります。ちなみに同じ静岡側登山口でも御殿場ルートはもっとも長いルートになります。

【宝永山ってどんな山?】
 宝永四年(1707年)の宝永の大噴火で誕生した富士山の南東斜面側にある側火山。複数ある富士山の側火山の中ではもっとも歴史が浅い。噴火により形成された火口が3つ連なり第一火口、第二火口を見下ろすことができる。標高2693m。登山道は富士宮ルートおよび御殿場ルートの2ルート。

 登山口へは県道23号・富士山スカイラインを利用します。ハイシーズンの7月上旬から9月10日(2023年度の場合)は一般車両は通行止め。登山口に向かうゲート手前の水ヶ塚公園からシャトルバスないしはタクシーの利用となりますが、富士山閉山後から冬季通行止めとなる11月中旬までは標高2380mにある駐車場までマイカーで行くことができます。ちなみに富士山スカイラインは無料です。

かつては有料道路であった歴史を残すゲートをくぐって九十九折を走り上がり終点の駐車場に。駐車場は一方通行の道路両脇に白線で区切られ、約500台駐車可能とされているようです。

宝永山の駐車場

駐車場からダイレクトに入山できるのが富士宮ルートのメリットですが、ルートは2ヶ所あります。メインの登山口ですぐに六号目山小屋に直結するのは最上段駐車場手前側で、最上段出口側(富士宮市観光協会作成地図ではブルドーザー基地と表記)に第二火口縁に出る森林帯ルートがあります。

協力金制の公衆トイレは手前側登山口にあります。宝永山ルートにはトイレはないので、ここで済ましておくといいでしょう(開山中は六号目山小屋のトイレが利用できます・チップ制)。

今回スタッフは駐車場出口側から森林帯を抜け、第二火口縁から六号目第一火口縁に出て火口底から上り、馬の背手前を右手から山頂を目指します。登り約2時間弱のコースタイムです。

アリ地獄な火口縁を淡々と登る。下りは「ゲイター」が活躍

シラビソの森林帯は小さなアップダウンが続きます。晴天を見上げれば、富士山ブルーの背景に赤銅色の富士山。七号目あたりの山小屋が太陽光に銀色に輝いているのが見えます。

程なく稜線。第二火口縁に出ます。壮大なる火口は富士山の火山としての歴史を伝えます。ここから第一火口縁までの100mに満たない登りで早々に足をとられ、意外にこたえます。

宝永山の稜線

第一火口縁からやや下りながら宝永第一火口標識のある火口底を伝い、いよいよ気合の登りです。長い長いザレ場をひたすら登ります。二歩登って一歩ずり落ちる、と言われる所以です。富士山閉山時期は、このザレ場のピストンが基本フォーマットです。

ミッドハイの登山靴を履いている方でもそうですが、ミッドローやローカットシューズの方はスパッツ/ゲイターが無いと下りで泣きをみることになります。靴が沈み込みます。小石が無遠慮に靴内に忍び込んできます。

小石対策としてゲイターとスパッツを装備した足元

Z字のルートでは先行するハイカーたちの悪戦苦闘ぶりを直視できるので、キツく感じたら堂々と休むに限ります。無理のないペースで標高を積み上げていきましょう。

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