崩落痕とゴルジュの現状は?
左岸側の斜面が大崩落を起こしています。かなりの規模で斜面が崩れたようで、谷を埋めるように岩屑が堆積していました。
崩落した岩は、おおむね安定しているようですが、油断はできません。慎重に歩みを進めていきます。

崩落個所の奥にある「赤子滝」は無事でした。とくに以前と変わったところはなさそう。大きな滝ではありませんが、端正な佇まいが美しく、爽やかな水音に癒されます。

滝を直登するのは難しそうなので、滝身の右から巻いて行きます。上部にまたしても崩落個所がありました。

こちらも、谷底に落ちた岩は安定しているように見えますが、まわりの様子を見ようと踏み跡を外すと、グラグラしているものもありました。
そして、右上の崩壊面はまだ生々しく、もう少し崩壊が進むと落ちてきそうな大きな木もあって、危なっかしい感じです。大雨のあとなどには、近寄らない方がいいかもしれません。

そして、いよいよ核心部のゴルジュへ……。
「ゴルジュ」というのは、元はフランス語で「喉」という意味だそうですが、日本の山岳用語で、切り立った崖に挟まれた狭い沢地形のことを指します。

このあたりは、以前とさほど変わってないような気もするのですが、なんとなく浅くなっているような気もします。以前より通過が楽になっているかも。けれど、身近な山で、このような景色が見られるのはなかなか稀少だと思います。

沢を詰め上がり、稜線に出るとそこはメジャールートの六甲全山縦走路。あとは一般ルートでサクサクと下山。これから暑い季節になると、涼しい水辺が恋しくなってきますね。でも、沢筋のルートにはさまざまなリスクがあります。さらに雨の後などは増水して難易度がぐっと上がることも。
万が一事故が起きても、携帯電話が圏外であることも多いので、ビギナーさんがもし行かれるのなら、しっかりした経験者に同行するようにしてくださいね。